JR九州の新型車両YC1系が追加投入され、長崎地区で営業運転を開始した。JR九州が保有するYC1系は、8月8日の時点で計20両(2両固定編成が6編成、残る8両は1両単位)とのこと。3両編成での営業運転も行われている。
新型車両YC1系は、「やさしくて力持ちの鉄道車両」をコンセプトに開発された蓄電池搭載型ディーゼルエレクトリック車両(ハイブリッド車両)。2018年に1編成2両が搬入され、同年10月に報道公開された後、佐世保車両センターを拠点に走行試験を行った。その後、座席配置など仕様変更を行った編成を加え、4編成8両で今年3月14日から営業運転を開始したと報じられている。運行開始に伴うイベントは新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止のため、中止となった。
8月8日の追加投入により、長崎地区ではYC1系の列車が増加。運行区間は引き続き長崎~佐世保間(長崎本線旧線を含む)とされ、普通列車や「シーサイドライナー」に使用される。追加投入後の休日、午後の時間帯に諫早駅から乗車した佐世保行の区間快速「シーサイドライナー」も、YC1系2両編成(YC1-201・YC1-1201)による運行だった。
2018年10月に報道公開された編成(YC1-1・YC1-1001)はドア間の一部座席をボックスシートとしていた。一方、今回乗車した編成は連結部付近にのみボックスシートがあり、ドア間の座席はロングシートだった。トイレは長崎方の車両(YC1-201)に設置され、トイレの前に座席は設けられていない。YC1系では、利用者がドア開閉のボタンを操作できる「スマートドア」を採用したが、感染症対策を理由に使用開始時期を延期するとの案内が車内に掲出されていた。
現在、日中時間帯の「シーサイドライナー」は区間快速として運行され、竹松~佐世保間の各駅に停車する。途中駅で列車の待ち合わせを行う際、早岐・佐世保方面から来る普通列車の中に3両編成で運行されるYC1系を見かけた。早岐駅隣接の佐世保車両センターでは、片運転台の1両だけで留置されるYC1系の姿もあった。
なお、長崎地区ではYC1系の追加投入に先立ち、8月5日にキハ66・67形の2編成4両(キハ66-5・キハ67-5、キハ66-11・キハ67-11)がラストランを迎えた。YouTubeのJR九州長崎支社公式チャンネルにメッセージ動画も公開されている。2編成の引退により、キハ66・67形は残り8編成となった。