Netflix配信のオリジナルシリーズ『全裸監督』(19年)での体当たり演技で、女優としての株を一気に上げた森田望智。フジテレビの動画配信サービスFODで7月18日から配信がスタートした『あの子が生まれる・・・』では、待望のドラマ初主演を務める。そんな森田を直撃し、Jホラー初挑戦の舞台裏について話を聞いた。

本作は、ホラー映画の金字塔『リング』シリーズなどで知られる人気作家・鈴木光司氏が書き下ろした新作ドラマ(全10話)。森田が演じるのは、由緒ある病院で働く看護師の今泉菜央役だ。ある日、救急車に轢(ひ)かれた妊婦が運ばれてきてから、病院内で、欲望や嫉妬、確執や復讐心など、人々を取り巻く心の闇が、次々と暴露されていく。

  • 『あの子が生まれる・・・』に主演する森田望智

    『あの子が生まれる・・・』に主演する森田望智

■ジワジワくる怖さを感じる

――まずは、初のドラマ主演を飾った感想から聞かせてください。

最初にオファーをいただいた時は「本当に私ですか?」という驚きと、「私で大丈夫なんだろうか」という不安の両方を感じました。でも、撮影中は自分が主演だということを意識せずに、ベテランのスタッフさんや共演者のみなさんに助けていただき、流れに身をまかせる感じでやらせてもらえたので、本当にありがたかったです。

――ホラーは、得意ではなかったとお聞きしましたが。

全然得意じゃなくて、むしろ遠ざけて生きてきました(苦笑)。この作品が終わってから、ようやく見るようになって、少しだけ慣れてきたかなという感じです。鈴木さん原作の『リング』や『着信アリ』シリーズが流行ったのは、私が小学校のころでしたが、怖すぎて、その思い出が強烈に残っています。

ただ、本作をやることはすでに決まっていたし、ホラーが苦手だからこそ、自分が純粋に怖がれるので、きっと見ている方にも怖がっていただけるんじゃないかなと思い、ポジティブな形で挑戦しました。

――本作には、いろいろな怖さが詰まっていますね。

ホラーとしての描写だけではなく、人の怖さや悲しさ、嫉妬、憎悪のような人間の暗い部分を掘り下げているから、二重に怖いんです。ジワジワくる怖さをすごく感じました。

――菜央役にはどんなふうにアプローチをしていきましたか?

トラウマを抱え、振り返りたくない過去にフタをして生きている女の子。でも、真っ当に生きなくてはという思いが強いから、負の部分が逆に正義になるのかなと。だからトラウマというものをずっと意識して、うしろめたさを感じながら演技をしていました。

  • (C)フジテレビ

■微笑みが怖く見える現場

――現場の雰囲気はいかがでしたか?

現場は作風とは打って変わって、本当に穏やかで、ゆったりした雰囲気でした。みなさんも優しくてにこやかな方ばかりでしたが、撮影ではその微笑みが怖く見えたりして、ギャップを感じたりもしました。

――深夜の旧病棟の不気味な雰囲気が、怖さに拍車をかけていました。

旧病棟の撮影シーンは、まさに今は使われていない病棟でロケをしました。本当に新病棟と隣り合わせになっている場所だったので、より一層リアルな怖さが感じられました。私は絶対に1人じゃ足を踏み入れられなかったです。もちろん役としては頑張りましたが(苦笑)