クレハはこのほど、緊急事態宣言発出後に在宅勤務となった共働きの20代〜40代の夫婦400名を対象に、「共働き夫婦の家事シェア事情」に関する調査を実施し、結果を公表した。 

同調査は2020年5月16日〜5月20日、小学生以下の子どもを持つ、共働きの20代〜40代の既婚夫婦400名(男女200名ずつ)を対象に、インターネット調査にて実施した。

  • あなたの家庭の家事・育児分担の割合で最も近いのはどれですか。(n=400)

家事・育児の分担割合について質問したところ、約半数の家庭で妻が家事・育児の80%以上を担っていることが判明。男女別の調査結果を見ると、特に「妻100%」と「妻50%・夫50%」の項目においてそれぞれ大きな差が開いており、夫婦間で認識の違いがあることがわかった。

さらに分担の割合についての満足度は、84.0%の夫が満足と回答しているのに対し妻は60.5%にとどまり、約20%の差が開いている。この結果から、共働きが増え夫の家事参加が進みつつある状況でも、夫は「やっているつもり」、妻は「まだまだ足りていない」といったように、夫婦間で家事・育児の分担に対する認識や満足度にギャップがあることがうかがえる。

  • 家事・育児の分担割合について満足度を教えてください。(n=400)

自身で担当している家事について質問したところ、夫のトップ3は「ゴミ出し」(57.5%)、「浴室の掃除」(47.8%)、「食事の片付け」(28.8%)という結果に。一方、妻のトップ3は「料理・食事のしたく」(84.3%)、「アイロンがけ」(61.8%)、「洗濯・干す」(59.8%)という結果となった。

  • どの家事を主に誰が担当していますか。(n=400)

時間のかかる主要な家事の担当は、妻の割合が大きいのに対し、比較的容易な家事は夫が多く担当していることが判明。夫婦の満足度の差は、それぞれの家事の負担の度合いが原因である可能性がうかがえる。

また、家事は妻の割合が高いが育児は「半分半分」と回答する人が多く、家事と比較して育児の方が分担が進んでいるという興味深い結果が明らかになった。

緊急事態宣言発出後、62.8%の夫婦が家事・育児の分担について「話し合いをした」と回答。また、68.1%の家庭で「夫が家事・育児をする機会が増えた、少し増えた」ことがわかった。在宅勤務等で働き方が変化したことにより、改めて家事・育児の分担を見直す家庭が増え、夫婦の認識の差を縮める機会になったことがうかがえる。

  • 緊急事態宣言発出後、在宅勤務・休校になったことにより、 家事・育児の分担について夫婦で話し合いをしましたか。(n=400)

  • 緊急事態宣言発出後、在宅勤務・休校になったことにより、 あなたの家庭で夫が家事・育児をする機会が増えましたか。 (n=400)

さらに、「夫が家事・育児をする機会が増えた、少し増えた」と答えた人にどの項目が増えたかを調査したところ、トップ3は「子どもと遊ぶ」(58.8%)、「料理・食事のしたく」(44.5%)、「食料品・日用品の買い出し」(41.9%)という結果に。これまで妻が中心となって担当することが多かった「料理・食事のしたく」や「食料品・日用品の買い出し」の項目について、夫の家事参加率がアップしたことがわかった。

  • 前問で「夫が家事・育児をする機会が増えた、少し増えた」と答えた方にお伺いします。 家事・育児でどの項目をする(してもらう)ことが増えましたか。 (n=272)

働きながら家事・育児をこなしていくのはとても大変であり、時短・効率化をしていきたいもの。「家事や生活の中で時短・効率化したいことは何か?」という質問に対しては、2位の「部屋の掃除」(40.5%)に20%以上の差をつけて「料理・食事のしたく」(65.5%)が1位となった。

  • 家事や生活の中で時短・効率化したいことは何ですか。 (n=400)

そして、「料理・食事のしたく」を選んだ人に時短や効率化に役立っているキッチン消費財について聞いたところ、“ラップが1位"という結果になった(67.9%)。「食材の保存」や「電子レンジでの加熱」、「作り置き」など料理における様々なシーンで活用できるラップが、時短や効率化に役立つ便利グッズとして多くの人に選ばれている。

  • 前問で「料理・食事のしたく」を選んだ方にお伺いします。料理をする際に、時短や効率化に役立っているキッチン消費財は何ですか。(n=178)

最後に、「今後も夫婦が協力して家事・育児の分担を続けていきたいと思うか」という問いに対しては、「はい」が夫・妻ともに95%を超える結果となった。また、家事・育児の両立において重要だと思うものに対する問いでは、「配偶者への思いやり」(65.0%)や「配偶者へ感謝の気持ちを伝える」(57.8%)を重要と感じる夫婦が多い。同社では、外出自粛期間の家事・育児の分担を経て、改めて夫婦間でのコミュニケーションの大切さを実感した夫婦も多いのではないか、と指摘している。

  • 今後も夫婦協力による家事・育児の分担を続けていきたいと思いますか。(n=400)

  • 家事・育児の両立において重要だと思うものを全てお選びください。(n=400)

今回の調査では、働き方の新しいスタイルが推進され、家族のカタチも新しいスタイルに変化していく現状の中でも多くの人が、夫婦で支え合いながら家事を行っていきたいと感じていることが明らかとなった。