世界11カ国で人材紹介事業を展開するジェイ エイ シー リクルートメントはこのほど、転職活動中の人材272名に対し「新型コロナウイルス及びオンライン面接による転職活動への影響調査」を実施し、結果を公表した。

同調査は2020年5月25日〜6月4日、転職活動中の20代〜60代・272人を対象にインターネット調査にて実施。新型コロナウイルスの感染拡大に伴いビジネスのオンライン化が急速に進んだ中、転職希望者は緊急事態宣言解除後も企業に対し柔軟な対応を求めていることがわかった。

  • アフターコロナの企業の面接手法、求職者から最も支持されたのは「基本的にオンラインでの面接で、希望すれば対面でも面接してくれる」に

転職希望者を対象に、コロナ収束後(アフターコロナ)における企業の面接手法に関する調査をしたところ、求職者から最も支持を集めた(「印象が良い」の回答が最も多かった)のは、「基本的にオンラインでの面接で、希望すれば対面でも面接してくれる」が76%、次いで「基本的に対面での面接(希望すればオンラインでも面接してくれる)」が72%となった。

面接を行う際、一次面接から最終面接まで全て対面もしくはオンラインの1つの方法ではなく、求職者の希望を踏まえた柔軟な選考プロセスを行う企業が高く支持されていることがわかり、今後企業が採用面接を行う際は候補者の希望を確認しつつ実施することが求められる。

特徴的なのは、「基本対面で面接、希望すればオンライン」より「基本オンラインで希望すれば対面面接」を実施する企業の方が、多くの人から支持されている点。加えて、調査対象の30代以下から50代以上まで、等しく「基本的に対面」よりも「基本的にオンライン」の方を高く支持しており、年齢に関わらずアフターコロナにおける面接のあり方として対面よりもオンライン面接を求めていることがわかる。

また、IT業界で働く人の半数以上が「全てオンラインでのやり取りで入社を決断できる(一度も会社を訪問したり対面で会うことなく入社を決断できる)」と回答しており、オンラインのみで意思決定が可能と考えるのは企業だけでなく求職者側でも共通していることがわかった。

2020年上半期は新型コロナウイルスの感染拡大の影響により人の移動が制限され人材採用の際に対面での面接を行うことが困難となった。そんな中、5月に企業に対し行った調査では、全体の4割の企業が人材採用の際一次面接から最終面接まですべての選考をオンラインで完結させることが可能と回答。その一方で、転職希望者はアフターコロナの採用面接の際、企業に対し柔軟な対応を求める傾向が見られた。

新型コロナウイルスの感染拡大を機に世の中のオンライン化が急速に進んだ中、今後、人材採用のあり方も柔軟に対応することが求められていることが明らかとなった。

この結果を受けて同社 海外進出支援室 アドバイザー 野田作郎氏は、「今回の調査では、アフターコロナにおいて求職者が柔軟な選考プロセスを希望していること、そして基本的には対面よりもオンライン面接を希望していることなどがわかりました。中途採用市場における求人がコロナの影響で減少したとは言え、優秀な人材にとってはどのような状況においても売り手市場である状況は変わりません。企業の経営を担う優秀な人材を確保する上では優秀な人材か否かを見極めるだけでは不十分で、『優秀な人材に選ばれる』ことが必要です」と指摘。

  • ジェイ エイ シー リクルートメント 海外進出支援室 アドバイザー 野田作郎氏

続けて、「新型コロナウイルスの感染拡大により人材採用の大きな変革期となった2020年上半期以降、『人材を見極めるため』だけではなく『人材に選ばれるために』どのような採用・選考を行うべきかについて企業は議論がなされるべきでしょう」とコメントしている。