寝られない……帰れない……終わらない……などなど過酷な業務の一例として取り上げられることも多い「システム開発」の仕事。以前にも体験談が映画化され話題になったこともありましたよね。システム開発の現場は、なぜそのような事態に陥ってしまうのでしょうか。

システム開発企業の代表を務める米村歩さん(@yonemura2006)のツイートが注目されていました。

  • 形のある商品に例えると……? すんなり理解できます ※画像はイメージ

ラーメン注文して後からやっぱりチャーシューと卵も追加してとなったら追加料金かかるのはわかるのに、システム開発だと後から追加要望出しても追加料金かからないと思うのやめて。何なら豚骨ラーメン注文してほとんど完成した後に「やっぱり味噌ラーメンにして? もちろん無料で」まである。(@yonemura2006より引用)

なんという分かりやすい例えでしょうか。たしかに、ラーメン屋で追加注文してお金を払わなければ、警察に通報されもおかしくありません。この投稿を見た読者の皆さんからも、「すごい時は最初ラーメンって言ってたのにやっぱやめてステーキでみたいなこと言い出しますね……なのに納期は当初のまま」「『初めてラーメン食べるけど、今後につながるはずだから最初の注文も負けといてよね』という場合もあったり」と共感した旨のコメントが。

今回、ツイートの経緯などを米村さんに聞いてみました。

――ラーメン屋の例え、とても分かりやすく腑に落ちました

「以前から、私自身はラーメン、牛丼、注文住宅などでシステム開発を例えていました。物理的な形のないシステム開発というサービスの特性上、中には具体的なイメージができない方もいらっしゃいます。

そんな方にでも物理的な形のある他の商品に例えることですんなりと理解していただけることがあります」。

形がないからこそ、過剰に要求してしまう……接客業においては「カスタマーハラスメント」という言葉が問題視されていますが、「誠意」は形がないから「無料」と勘違いしてしまい、“過剰に”要求してしまう。もしかしたら、無茶な発注する人も同じような心理かもしれません。

――米村さんは、ツイッターのプロフィールで「以前は毎日終電、毎週休日出勤のブラック企業でした」とご自身の会社のことを書かれていました。業界や現場では、まだまだ「ラーメン屋で金を払わずに追加注文する」ようなことが横行しているのでしょうか?

「今の弊社では『ラーメン屋で金を払わずに追加注文する』顧客はいません。そういう要求が時々あったとしてもきちんとご説明してお断りしたり、追加料金をお支払いいただいたりしています。以前ブラックだった時にはこのような理不尽な要求も安易に受け続けてしまっていたことも、ブラックに陥ってしまっていた要因の一つでした。

業界的には今回の私のツイートへついているコメントをご覧いただいてもわかる通り、料金を払わずに追加注文を受け付けてしまうケースは今もたくさんあるのが現状だと思います」。

――今回のツイートに、共感した旨のリプライが大変多く寄せられていましたね

「今回のツイートは、理不尽な要求があった場合の顧客への説明や、社内で顧客折衝する人への指導として、わかりやすいたとえ話になればと思ってツイートしました。たくさんの共感のリプライをいただいていますが、ほんの少しでも活用してくれる人がいれば嬉しいです。もちろんネタとして楽しんでいただけるだけでも嬉しいです」。