数カ月前の品薄状態がウソのようなマスク。現在は、大抵のドラッグストアなどで購入できるようです。しかし、その割にマスクのデザインは大体同じ。たまに黒いマスクを見かけますが、圧倒的に多いのは白。

ちなみに、マスクなど衛生用品の業界団体である、「日本衛生材料工業連合会」によると、日本でのマスクの歴史は明治初期、主として粉塵よけに始まったのだとか。

そんな話を隣の編集者としていると、「もっと格好いいマスクがあれば、私もイケメン枠に入れるかも」と中2病のようなコメント。彼はブリーフ下着のようなマスクを愛用し、あだ名は「ブリーフィ」。

  • マスク姿の印象から「ブリーフィ」と呼ばれる男

そんな自分を変えたいようですが、そんな都合よくはいかないだろ? と思っていたら、オシャレなファッションマスクに特化した「MASK WEAR TOKYO」という販売サイトが6月18日にオープン。

限定ポップストアも新宿マルイ アネックスにできたので、彼のマスクを探しに行ってきました。

  • 新宿に限定オープンした「MASK WEAR TOKYO」ポップアップストア

コロナ禍がきっかけ

会場には100人のクリエイターがデザインしたマスクが陳列。今回の企画、販売を行う and marks 代表取締役社長 三輪武寛さんに話を伺いました。

同社は主にInstagram上でショップを展開していますが、今回のコロナ禍の影響で業績が下がったそう。

三輪さん 「何か別事業を展開できないか、と考えた時に注目したのがマスク。と言うのも、服や時計などは個性を出してオシャレだけど、マスクはみんな同じ。そこに違和感を持ったのがきっかけです」。

当初は自社製造も考えたそうですが、製品のクオリティにばらつきが出てしまう。そこで、浴衣帯を製造する小杉織物に製造を依頼。同社は肌に優しいシルクマスクを作ることでも知られています。

  • 小杉織物のシルクマスクをベースに制作された

100人のクリエイターがマスクをデザイン

元々インフルエンサーとやり取りして商品を企画していた同社、そのノウハウを生かして100人のクリエイターから今回のマスクデザインを募集したといいます。

三輪さん 「今回のマスクデザインが初めての仕事として、イラストレーターさん、写真家さん。ファッションデザイナーさんなどにお願いしました。元々会社のスピード感に自信はありましたが、今回は関係者の皆さんにも頑張ってもらい、超特急で製品化までこぎつけました」。

  • ストリートフォトグラファーである「Shin Noguchi」さんのマスク(税別3,500円)

こうして100通りのデザインのマスクが完成。ちなみに100というのは、最初から三輪さんがこだわった数字だそう。

また、選ばれた100人はSNSでの影響力が大きく、かつ、デザインとして多くの人に興味を持ってもらえることを軸に判断。その結果、単なるマスクと いうよりアート作品としての側面も持たせたと話します。

  • イラストレーターの「古塔つみ」さんのマスク(税別3,000円)

マスクのパターンは4つ

マスク自体の話でいうと、シルクという天然素材を使っているので、肌なじみがよく、着け心地もよさそうです。なお、30回ほど手洗いして使えるとのこと。

またマスクの形状は「プリーツの数」「立体/半立体」の4パターンがあり、デザイン時にクリエイターがパターンを選択しています。なお、サイズはユニセックスとレディースの2つで、これもクリエイターにより異なっています。

ということで、イケメンのスタッフの方に幾つかブリーフィ用に「イケてるマスク」を選んでもらったので、本人に着けてもらいました。彼はスタッフのようにイケてる男になれるのか?

  • 編集者のマスクを選んでくれたイケメンスタッフ

  • ギフト用にパッケージしてもらいました

イケメンプロジェクト始動

まずはシンプルな大人マスクはどうだろう、ということで北欧もどきクリエイターという「きなこす」さんのマスクをチョイス。「花粉症です」とメッセージされ、ウイルス感染していないよ、と周囲に配慮するデザインです。

  • 北欧もどきクリエイターの「きなこす」さんのマスク(税別3,500円)

着けてみると、シンプルながらメッセージが良い味を出しています。これは、これでアリかも?

続いて試したのは、フランス在住のクリエイター「ヒロコ」さんの作品。「優しさ」という言葉が胸に染みます。

  • フランス在住のクリエイター「ヒロコ」さんのマスク(税別3,000円)

本人のキャラにマッチしているため、編集部では好評でした。せっかくなので、白以外も試してみないか? ということで、スーツにも合いそうなダークな色合いのマスクにも挑戦。

  • イラストレーター「Kotaro Chiba」さんのマスク(3,300円)

チョイスしたのは、新潟県在住のイラストレーター「Kotaro Chiba」さんの作品。和なテイストが落ち着いた印象で良いですね。

昔の武勇伝を思い出した、やんちゃだった人感があるのは筆者の思い過ごしでしょうか……。せっかくなので、もう一つ大人デザインなマスクを。

  • 「COFFEE BOY」さんのマスク(税別3,000円)

シンプルなモノクロタッチでコーヒーのイラストを描く「COFFEE BOY」さんのマスク。選んでくれたイケメンスタッフさん曰く、「ファッション誌にあるようなイメージ」だそう。たしかにマガジンハウス系の雑誌記事にありそうな印象です。

これは良い感じですね。ちょっとイケてる編集者風に仕上がっています。ただもう少し個性があってもよいのでは? という天(編集長)の声。では、思い切り振りきったチョイスを。

  • ベルリン在住の「MASAKO HIRANO」さんのマスク(税別3,500円)

  • 「キヌコ」さんの"赤ちゃん彼氏用マスク"(税別3,100円)

  • イラストレーター「竹中」さんのマスク(税別3,700円)

どれもインパクト大ですねー、特に最期の女性イラストは戦闘力高めです。これもいってみましょー。

どうでしょう? エッジの効いた現代アートに詳しい編集者風です。初対面の人も忘れないので、名刺交換代わりに「あー、あの女性イラストマスクの人ね」として、覚えてもらえそう。これは便利では?

イケメン編集者誕生?

と、幾つか試して、最終判断は編集部メンバーで多数決を実施、その結果、「ヒロコ」さんのマスクが選ばれました。彼のキャラにマッチしている、というのが決め手です。

ブリーフィー改め「優しさ」マンとなった彼。ついに改名できたので、テンションも上がったのか、決めポーズも披露してくれました。

なお、同社はマスクだけでなく、衣類とセットした形でのデザイン、製品展開も考えているそうですよ。

ちなみに、彼が「優しさ」マンとして衣装をそろえてデビューするのは面白そうですが、今回の検証で本当にイケメンになれたのかは分かりません。