対局日は6月20日。勝者が決勝トーナメントに進出する大一番を制するのはどちらか!?
第33期竜王戦3組ランキング戦決勝(主催:読売新聞社)が、6月20日に関西将棋会館で行われます。杉本昌隆八段と藤井聡太七段の師弟対決となった決勝戦。勝利するのは果たしてどちらでしょうか。
【これまでの3組での戦い】
藤井七段は畠山鎮八段、高橋道雄九段、千田翔太七段を破って決勝戦に進出。準決勝の千田七段戦は朝日杯将棋オープン戦の準決勝の後に指されたもの。朝日杯では千田七段に敗れ、3連覇は果たせなかった藤井七段でしたが、同じ相手に連敗はしませんでした。
デビュー以来一度も竜王戦ランキング戦では負けのない藤井七段。ここまで19連勝中です。もし師匠を破って3組でも優勝となれば、史上初の4期連続ランキング戦優勝となります。
杉本八段は村山慈明七段、行方尚史九段、菅井竜也八段を破っての決勝進出。相手は強敵ばかりでしたが、特に菅井八段はA級昇級と八段昇段を決めた直後で、乗りに乗っているタイミングでの対戦でした。
過去に竜王戦1組に8期在籍していた杉本八段。もし弟子を破って優勝すると、第19期以来の決勝トーナメント進出となります。
【過去の対決】
杉本八段対藤井七段の師弟対決は過去に1度実現しています。それは2年前の2018年3月8日に行われた、王将戦一次予選です。この時はまだ杉本八段は七段、藤井七段は六段で、ともに段位が一つ下でした。
振り駒で先手番となった杉本七段は先手中飛車を採用。藤井六段は角交換から銀を繰り出し、振り飛車のさばきを封じます。中盤、両者の攻撃陣は同じような構えとなり、局面は膠着状態になりました。先に手を出した方が不利になる状況ということで、どちらも仕掛けることができません。ともに手待ちを繰り返さざるを得なくなり、やがて同一局面が4回現れて千日手となりました。
指し直し局は先手の藤井六段の穴熊対後手杉本七段の四間飛車美濃囲いという戦型になりました。端攻めをからめた杉本七段の猛攻を、がっちりと受け止めた藤井六段が反撃。最後は杉本玉を即詰みに打ち取って、藤井六段が勝利を収めました。
後日行われたインタビューで、藤井七段はこの対局を「どこかで対戦することになるとは思っていたんですが、プロになって1年ちょっとというのは思ったより早かったなと思います。公式戦で盤を挟むというのは幸せなことだなと思いました」と振り返っています。
一方、杉本八段は「言い訳になりますが、今回の対局は自分の気持ちが浮ついていたのが最大の敗因でした。次はもう少し落ち着いた環境で指せるでしょうし、もう一回指したい気持ちはあります。毎年8割を優に超える藤井七段と指すには、まだまだ自分の研究が足りませんでした」(『藤井聡太全局集 平成30年度版』より)と闘志を燃やしています。
【決戦は明日】
前回の対決から2年。藤井七段は棋聖戦でタイトル挑戦者になり、第1局で勝利。また、王位戦でも挑戦者決定戦に進出するなど、当時よりもさらに力を付けています。しかし、杉本八段も弟子の活躍が刺激となって、順位戦ではB級2組に昇級を果たすなど、活躍を見せています。今回の対決に向けて準備も万端でしょう。
どちらが勝利するにせよ、激闘必至の師弟対決。対局はABEMAと将棋連盟Liveで中継されます。歴史に残るであろう師弟対決第2ラウンドの目撃者になりましょう。