厚生労働省は6月9日、2020年4月の毎月勤労統計調査(速報、事業所規模5人以上)を発表した。それによると、残業代などの所定外給与は前年比12.2%減の1万7,984円と、比較可能な2013年1月以来、最大の下げ幅を記録した。

残業代、最大の下げ幅を記録

  • 毎月勤労統計調査(出典:厚生労働省Webサイト)

残業代などの所定外給与については、特にパートタイム労働者で同23.1%減と大幅に落ち込んだ。業種別にみると、飲食サービス業等が同46.1%減、理容・美容業を含む生活関連サービス等が同43.9%減と、新型コロナウイルス感染拡大に伴う外出自粛や休業要請の影響を受けた業種において減少が目立った。

名目賃金にあたる現金給与総額は前年比0.6%減の27万5,022円と、4カ月ぶりに減少した。就業形態別にみると、フルタイムで働く一般労働者の現金給与総額は同0.6%減の35万5,539円と、9カ月ぶりの減少。パートタイム労働者でも同3.9%減の9万5,114円と、大きく落ち込んだ。

所定内給与は前年から横ばいの24万6,397円、所定内給与と所定外給与を合わせたきまって支給する給与は同0.9%減の26万4,381円、ボーナスなどの特別に支払われた給与は同10.6%増の1万641円となった。

物価変動の影響を考慮した実質賃金指数は前年度比0.7%減と、2カ月連続で減少した。

月間の総実労働時間は同3.7%減の138.1時間。所定外労働時間は同18.9%減の9.0時間と、2013年1月以来、最大の下げ幅を更新した。特にパートタイム労働者については、総実労働時間が同9.9%減、所定外労働時間が同33.3%減と、ともに2013年1月以来、最大の下げ幅となった。