特別定額給付金の使い道アンケート総評

調査の結果、新型コロナウイルス感染拡大に伴う特別定額給付金10万円を申請、もしくは申請する予定がある人は92.6%と、大半の人が給付を受ける意向であることがわかった。

特別定額給付金の使い道については(複数選択可)、1位は45.7%と半数近くが支持した「食費」となった。以下、2位「貯金」(36.2%)、3位「日用雑貨の購入費用」(18.6%)、4位「税金の支払い」(18.0%)、5位「公共料金の支払い」(17.6%)までがトップ5に。続いて、6位「家賃・住宅ローンなどの支払い」(13.4%)、7位「通信費」(9.5%)、8位「子どもの教育費」(8.6%)、9位「娯楽費」(7.9%)、10位「医療費」(7.6%)という順位となっている。

具体的に特別定額給付金をどのように使うかを聞いたところ、大多数が緊急事態宣言や外出自粛などで困難になった日常生活を補う、あるいは収入の減少を補填するために使うというものだった。特に、1位「食費」に関しては、学校の休校などで子どもが家庭にいる時間が増えたことで食費がかさんでいる、という声が目立つ。また、「ちょっと良い食材を買うなどして地域に還元できる方法を考えたい」など、食を通して地域経済への還元を考えている人もいた。

2位「貯金」についても、余裕があるから貯金するということではなく、これから襲ってくるであろうさらなる困難に備えて、とりあえず使わずにとっておく、という人が多い。先に記した10位までの項目はおおよそ"生活費"に分類でき、喫緊の支出ではないものは9位「娯楽費」くらいだったことが象徴的だ。つまり、ここでのキーワードは、"生活防衛"といえるだろうか。

次に、生活費について「気にする必要がない」「さらなる貯蓄も必要ない」という状況だったとしたら、給付金を何に使いたいかを聞いた。主な回答として、「旅行」「レジャー」「飲食」「趣味」「衣類・ファッション」化粧品・美容」「家電やPC」「家具」「投資」などのワードが挙がった。いずれも、かなり不自由な生活を強いられている現実から離れて、「少しは贅沢をしたい、弾けてみたい」という欲求が感じられる。

「飲食代に使う」も前問の「食費」とは違って、「カフェ巡り」や「金額を比較せずに、食費に費やしたい」など、ちょっと豪華な食事を指向しているようだ。またここでも、「自分が住んでいる地域にある飲食店で使ってあげたいです」といった地域への還元を考えている声もあり、とても嬉しく感じる。

ただ、生活費について「気にする必要がない」「さらなる貯蓄も必要ない」という前提で尋ねているのにもかかわらず、それでも「生活費に回す」「貯蓄する」などと回答する人も多くいる。コロナ禍の中にあって、やはり日々の暮らしは相当に厳しくなっている現状がしのばれる結果となった。

一時の、爆発的な感染や医療崩壊が危惧される状況は脱したものの、まだまだ予断を許さない新型コロナウイルス事態。今回の特別定額給付金に関しても決して十分な額ではなく、二の矢三の矢を求める声も多い。今回のアンケートも、この10万円をできるだけ有効に活用し、この緊急事態をなんとか凌いでいこうという強い意志が感じられるものとなった。

調査時期: 2020年5月13日
調査対象: マイナビニュース会員
調査数: 806人
調査方法: インターネットログイン式アンケート

※写真と本文は関係ありません