――弊誌連載中『RAiSe!』ではストーリー原案も手掛けています。

「『RAiSe!』はアニメの世界観やストーリーを元に、アニメとは別の視点で物語を紡いでいくイメージですね。僕は物語の元になる部分を出すだけで、基本的には(作画の)しいはらさんと編集部に任せています。なので、毎回『お、こうなるんだ』といち読者としても楽しみにしています」

――RASの物語は、どのようにを考えているのでしょうか?

「アニメとの矛盾がないように作るのが難しいですね。ただ、リアルバンドのイメージが先にあって、キャラデザができている感じも面白いです。僕的には、仲良し5人組だけではなく、それぞれが欠けている何かを求めて集結するイメージ。バラバラな過去がある5人が、これからどうやって出会って、バンドを組んでいくのか。この作品が『RASを作っていく』ことになると思うので、僕もしっかり頑張ります」

――「ARGONAVIS」のストーリー原案と一部作詞を担当されています。男性バンドと女性バンドで異なるところはありますか?

「バンドや音楽の楽しさといったベースは同じですが、『ARGONAVIS』ではリアルさを盛り込めたらと考えています。例えるなら、高校時代のバンドと大学以降のバンドの違いかな? 高校時代のバンドって、ただひたすら楽しかったんですね。でも大学以降のバンドって、プロになる・ならないとか、お金がないとか、嫉妬とか敵対心とか、うまくいかないことも多いんですよね。だから、主人公たちも地方都市の大学生にしたんです。ステージ上ではキラキラしていても、いろいろな葛藤や衝突がある。でもどんな状況からでも泥臭く、勝ち上がってほしいと思っています」

――「D4DJ」でもストーリー原案をお願いしております。

「バンドものは先行作品がいくつかあるんだけど、DJは題材自体が新しくて、代表作と呼ばれるものがない。DJユニットという概念も今までにないので、やるだけで先駆者になれると思います。世界観的には、リーマンショックが起こらなかった現代……のさらに2~3年後ぐらいの近未来のイメージです。若者がもっと元気で、古い文化、音楽にも興味があって、DJが流行っている世界をイメージしています」

――バンドとDJで異なるところはどこでしょうか?

「楽器やバンドは絶対的に練習が必要なので、DJのほうが入りやすい。DJって、壊しつつ繋ぐ文化だと思うんです。年齢や性別や国境の垣根を壊しつつ、改めて楽しく繋ぐ。みんなで手を取ろうよっていうパワーがある。そういう音楽の楽しさや繋がる楽しさを大事にしたいなと思っています」

●細部にも血を通わせる中村航のものづくり

――中村先生が「ものづくり」を進めていくなかで、大切にしているものはなんでしょうか?

「人から見えない部分でも、一生懸命やって、手を抜かないことですね。何度も考えるし、深く考える。そして、自分が面白い、新しい、心が震えると思うことを信じること。大きなプロジェクトでも細部に血が通っていないと、人気が出ないと思うんです。大きな芯みたいなものをしっかり作って、かつ、細部にも気を配る。そういう者でありたいです(笑)」

――最後に、月ブシ読者のみなさまにメッセージをお願いします。

「最近、月ブシも面白くなってきているなと思います。ブシロードが作ってるものって、面白いし、勢いもあるし、信頼してついていけると思うんですよね。僕もいちファンですし、みなさんと仲間のような感覚でいるので、みんなも僕のこと『兄貴』って呼んでください(笑)。これからも、どうぞよろしくお願いします!」

発売中の『月刊ブシロード』6月号からは、中村航のコラム連載「中村航 こう語りき」がスタート。

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illust:やちぇ