第一生命経済研究所は4月8日、「2020年・夏のボーナス予測」を発表した。それによると、民間企業の夏のボーナス支給額は前年と比べて4.0%減少すると予想している(毎月勤労統計ベース)。2019年夏(同1.4%減)、2019年冬(同0.1%減)に続き3期連続で減少し、減少幅も大幅に拡大する見込みだ。
中小企業で減少額が拡大する見込み
同社は今夏のボーナスについて、「大企業と中小企業で差が生じる可能性が高く、中小ではより厳しい結果が予想される」と分析。このうち大企業のボーナス減については、2019年の企業業績の悪化を反映したもので、新型コロナウイルスの感染拡大の影響によるボーナスの減額は一部にとどまるとみている。
一方、中小企業については、落ち込みがより拡大する見通し。「新型コロナウイルスによる業績の急激な悪化の影響を強く受ける形で、中小・零細企業ではボーナス支給の見送り・大幅減額を行うところが多い」とした上で、「夏のボーナスの減少額は大きなものになる」と予想している。
2020年冬、2021年夏についても、「さらに厳しい」と予測。「リーマンショック後の2009年のボーナスは前年比10%近い減少幅となったが、今冬や来年夏のボーナスはそれに迫る悪化幅になってもおかしくない」とみている。
さらに緊急事態宣言の発令により、生産活動が大幅に低下し、所定外給与(残業代)が大きく減少する可能性が高いと予想。雇用についても、景気の急激な落ち込みの影響で悪化する可能性が高く、失業率も上昇すると見込んでおり、「賃金、雇用とも大きく悪化するとみられ、家計の所得環境はこの先厳しさを増していくだろう」と分析している。