新型コロナウイルスの感染で入院中のタレント・志村けん(70)が、初主演映画『キネマの神様』(12月公開)への出演を辞退することが26日、明らかになった。志村の所属事務所・イザワオフィスと配給の松竹が連名の文書で発表した。3月のクランクイン、5月のクランクアップを予定していたが、新たな出演者や撮影スケジュールなどは、現時点で協議に至っていないという。

志村けん

志村けん

イザワオフィスの代表取締役社長・井澤健氏は、「今年70歳を迎えた志村にとって、本作品は人生で初の主演映画ということもあり、大きな勇気と強い意気込みで臨んでいました」と振り返り、「それだけに、山田組の皆様にご心配とご迷惑をおかけする事になってしまい、志村も私共も、大変申し訳なく思っております」と陳謝。

「そこで此度、出演を辞退させて頂くことに致しました」と報告し、「作品のご成功を心よりお祈りすると共に、志村が病に勝ち、いつかまた山田組の皆様と一緒に撮影をさせて頂くことを願っております」と山田洋次監督との再タッグを誓う。

一方、松竹の常務取締役映像本部長・大角正氏は、「出演ご辞退のお申し出を頂き、大変残念でなりません」と落胆しつつ、「しかしながら、治療に専念いただくことを山田監督ものぞんでおり、お申し出をお受けすることとさせて頂きました」と受諾の経緯を説明。「山田組一同、いつかまた志村さんとご一緒できることを強く願っています。そしてなによりも、志村さんが一日も早くご回復されることを、心よりお祈り申し上げております」と治療中の志村にエールを送った。

本作は、小説家・原田マハ氏の同名小説を原作に、「松竹映画100周年記念作品」として山田洋次監督がメガホンを握る。志村は、ダブル主演となる菅田将暉と初共演し、世代を超えた二人一役の主人公を演じる予定だった。