前代未聞の無観客という緊急事態で行われた『R-1ぐらんぷり2020』の決勝戦(カンテレ・フジテレビ系、8日19:00~21:00)。自作のプログラミングゲームをプレーするというネタでマヂカルラブリー野田クリスタルが優勝したが、今回は、なぜかあの関西大物女性司会者が、大きな存在感を示していた。
その名は、上沼恵美子。口火を切ったのは、審査員の友近だった。MCの雨上がり決死隊・蛍原徹に、無観客でネタを披露することについて聞かれると、「芸人さんのタイプによっては、お客さんがいないほうが自分の本当にやりたいことをぶつけれるというか、気が大きくなって何でもできちゃうっていうタイプもいらっしゃると思うんですよ」と、プロの目線で解説した。
しかし、感心される空気に耐えられなかったのか、友近は「そういう人にとっては向いてるのかなと思うんですけど…」と言いかけると、急に上沼口調になって「ここはもうリサイタルなんだと、もう本当に私の単独ライブなんだと、そう思っていただければ」とハスキーボイスを繰り出したのだ。
しまいには「リサイタルと言えば、私CD出しました」と、昨年末の『M-1グランプリ』で上沼が見せた急展開な宣伝まで完コピ。だがこのおかげで、例年と違う異様な緊張感に包まれていたスタジオの空気が一気にほぐれ、トップバッターのメルヘン須長の追い風になったに違いない。
そして、野田クリスタルが優勝を決め、審査員の総評で関根勤が「『M-1』で怒られたから、(優勝して)良かったね」とコメントした。野田は、コンビのマジヂカルラブリーで『M-1グランプリ2017』では決勝に進出したが、その舞台で審査員の上沼から「好みではない」「よう決勝残ったな」と生放送中に本気で怒られてしまうという経験をしていたのだ。
関根の振りに対し、野田は「いいこともあるんだなと思いました」と感慨深げ。その流れに畳みかけるかのように、友近はまたも上沼口調で「優勝したからふざけすぎですね」とかまし、野田は当時を思い出したのか、なんとも言えない表情だ。
さらに生放送の最後、蛍原に「あらためて感想を聞かせてください」と言われた野田は「やっぱりあの人に感謝の気持ちを伝えたいです…えみちゃんありがとうー!!」と、上沼へのメッセージで締めくくった。
その後、場所を移して行われた優勝会見では、報道陣から上沼に関する質問が続出した。上沼のカンテレ冠番組『快傑えみちゃんねる』への出演意欲について問われると、野田は「(賞金の)500万を使って何かを献上したいと思います」と回答。上沼に優勝をどのように報告したいかを聞かれると「えみちゃんやったよー!」と、フランクなノリで笑わせてくれた。