消費増税とともにスタートした「キャッシュレス・ポイント還元事業(キャッシュレス・消費者還元事業)」。これは、クレジットカードなどでキャッシュレス決済を行うと、最大5%のポイント還元が受けられる制度です。
消費増税で家計への影響が気がかりなところですが、これをうまく活用すれば、多少なりとも負担軽減につながりそうです。では、ポイント還元をどのように使うとメリットが大きいのでしょうか。ポイント還元の仕組みや、お得な活用法を解説します。
ポイント還元の仕組みとは
「キャッシュレス・ポイント還元事業」は、キャッシュレス決済を促進させる目的で、経済産業省が推進している制度です。ポイント還元の期間中(2019年10月1日から2020年6月30日まで)、対象店舗にてキャッシュレス決済を行うと、最大で5%のポイント還元が行われます。
キャッシュレス決済とは、クレジットカードやデビットカード、電子マネー、QRコード、バーコードなどによる決済のことで、たとえば、クレジットカードで支払った場合、カード会社(決済事業者)から付与されるポイントとは別に、国からポイントが還元される仕組みになっています。付与されたポイントは、ポイント還元期間を過ぎても、有効期限内であれば使うことが可能です。
少し注意したいのは、ポイントが即時還元される場合もあれば、還元までに3ヶ月程度かかる場合もある点です。ポイント還元の方法も、引き落とし時に値引きされたり、ポイントが後日付与されたりと、さまざま。
さらに、ポイント還元には金額に上限が設けられており、クレジットカードやデビットカードでは、概ね月1万5,000円となっています。ポイント還元までの期間や方法、ポイント還元の上限額、またポイントの有効期限は、決済事業者によって異なっています。
なお、ポイント還元は、対象店舗でキャッシュレス決済をした全ての買い物に適用されるわけではありません。
ポイント還元の例外になるのは、金券類や住宅、自動車などがあります。また、どの決済手段がポイント還元の対象になるかは、決済事業者が決めています。たとえば、VISAなどの国際ブランド付きプリペイドカードでも、ポイント還元の対象になっていないこともあります。
このように、全てのキャッシュレス決済でポイントが付与されるわけではありませんので、気を付けましょう。
ポイント還元はどこで、どうすれば受けられる?
キャッシュレス決済によるポイント還元を受けるには、ポイント還元の対象店舗でキャッシュレス決済を行います。ポイントの還元率は、5%または2%です。
還元率が5%となるのは中小規模の事業者が運営する店舗で、2%となるのはコンビニや飲食チェーン、ガソリンスタンドなどのフランチャイズ店となります。なお、実店舗だけではなく、オンラインショップも還元の対象となります。
ちなみに、フランチャイズチェーンの傘下になっているコンビニは対象店舗となり、ポイント還元率は2%ですが、同じコンビニでも直営店は中小企業が運営する店舗ではないため、対象外となります。しかし、コンビニ大手では、この紛らわしさを解消するため、全店で自己負担による2%のポイント還元を行っています。
ポイント還元のお得な活用方法
普段の買い物をキャッシュレス決済にするだけで、ポイントが還元されるこの制度。2020年6月末までの期間限定ですので、今からでもぜひ使ってみたいものですね。では、このキャッシュレス決済によるポイント還元を最大限賢く活用するには、どうすればいいのでしょうか。
ポイントは、QRコード決済(バーコード決済)を使うこと、クレジットカードによるポイント二重取りを狙うこと、そして、アプリを使ってポイント還元の対象店舗を把握することです。一つずつ、見ていきましょう。
まず、キャッシュレス決済の中でも注目を集めている「QRコード決済」は、各社が続々とお得なキャンペーンを展開しています。特に、2018年に「100億円キャンペーン」を行った「PayPay」は、最も知名度が高いQRコード決済です。
同社は定期的に様々なキャンペーンを打ち出しており、PayPayを使ってPayPayモールで買い物をすると、最大で20%のポイント還元が受けられるキャンペーン(期間は2019年11月1日~2020年3月31日。付与上限は1万円/月)などを開催しています。
他にも、「楽天ペイ」や「Line Pay」「Origami Pay」「メルペイ」「au Pay」「FamiPay」「d払い」など、QRコード決済(バーコード決済)は次々と登場しています。それぞれ、独自のキャンペーンを展開していますので、よく利用するサービスがお得に使える決済を選ぶといいでしょう。
また、上記のようなQRコード決済にクレジットカードを使えば、キャッシュレス決済によるポイントと、クレジットカードのポイントが二重で付与される「ポイントの二重取り」が可能です。
たとえば、Yahoo! JAPANカードでPayPayにチャージすると、PayPayボーナス1%(※)とYahoo! JAPANカード決済によるポイント付与1.5%の合計2.5%が還元されます。楽天ペイでも、楽天カードやその他のポイント還元率1%のクレジットカードを登録すれば、合計のポイント還元率は1.5%となり、ポイントの二重取りができます。
※Yahoo!JAPANカードでPayPayにチャージすると、付与されるPayPayボーナス1%は1/31で終了。
そして、キャッシュレス決済によるポイント還元の対象店舗を見逃さないためには、アプリを使ってしっかり確認するのが重要です。ポイント還元の店舗をチェックできる公式アプリ「ポイント還元対象店舗検索アプリ」なら、近隣の対象店舗が地図上に表示されるため、一目でわかり便利です。さらには、対象店舗でポイント還元となるキャッシュレス決済の種類も確認することができます。
キャッシュレス決済に対応していても、店舗が還元制度に登録していなければ、ポイント還元を受けることができませんし、対象店舗で使える全てのキャッシュレス決済がポイント還元になるわけではありません。アプリによる確認は、必ず行っておきたいですね。意外な店舗でポイント還元があるとわかれば、お得に使える範囲が拡大するはずです。
期間限定のポイント還元を有効活用しよう
決済事業者により、ポイントの還元方法や時期が異なったり、店舗によってはポイント還元が受けられないキャッシュレス決済があったりと、内容が複雑なポイント還元事業。スマホ決済会社も乱立しており、どれを使ったら良いのか迷ってしまいそうです。
しかし、うまく使いこなせれば、実質的な節約につながります。お得な今のうちに、ぜひキャッシュレス決済を使ってみましょう。