青嶋未来五段が斎藤慎太郎七段を破ってベスト4出そろう
1月13日に大阪「関西将棋会館」で叡王戦本戦トーナメント準々決勝最後の一局、斎藤慎太郎七段-青嶋未来五段戦が行われ、青嶋五段が勝利。これで準決勝進出者が全員出そろいました。トーナメントの左ブロックから進出者を見ていきましょう。
青嶋五段は1995年2月生まれの24歳。2015年4月に四段になると、初参加の順位戦C級2組でいきなり昇級を果たし、16年3月に五段に昇段しました。17年には第65期王座戦で挑戦者決定戦に進出。惜しくも中村太地六段(現七段)に敗れ、タイトル挑戦には届きませんでした。また、将棋以外にもチェスの強豪としても知られており、19年に行われた第52回全日本チェス選手権で優勝の実績を残しています。
渡辺明三冠は1984年4月生まれの35歳。史上4人目の中学生棋士として2000年4月に四段に昇段しました。竜王9連覇を含む、タイトル獲得23期のトップ棋士です。今期の勝率は8割を超え、A級順位戦では7勝0敗で独走中。名人挑戦マジックは1です。また、1月から王将戦の、2月からは棋王戦のタイトル防衛戦が始まり、充実の冬を迎えています。
佐々木大地五段は1995年5月生まれの24歳。2016年4月に四段デビューを果たしますが、奨励会三段リーグで次点2回による昇段で、フリークラスからのスタートとなりました。ところが、デビュー早々から高勝率を残し、わずか10か月後の17年2月に規定によりC級2組への昇級を決めました。最近では19年度の第45期棋王戦で挑戦者決定二番勝負に進出。本田奎四段(現五段)に敗れて挑戦とはなりませんでした。しかし、今月行われた第61期王位戦予選決勝で渡辺三冠を破って3期連続で挑戦者決定リーグ入りをするなど、好調を維持しています。
豊島将之竜王・名人は1990年4月生まれの29歳。2007年4月に四段昇段。プロデビュー後、毎年高勝率を維持し、若くしてタイトル獲得間違いなしと見られていました。現にタイトル初挑戦は10年度の第60期王将戦で、この時弱冠20歳。ところがこの番勝負を含め4度番勝負に敗れ、タイトル獲得とはなりませんでした。しかし、18年に第89期棋聖戦、第59期王位戦、第77期名人戦で立て続けにタイトルを奪取し、初戴冠から史上最速のスピードで三冠まで駆け上がりました。その後棋聖と王位は失ったものの、19年に竜王を獲得。史上4人目の竜王・名人となりました。
実績、肩書だけを見れば渡辺三冠と豊島竜王・名人が挑戦者決定戦に進出しそうですが、叡王戦は波乱の起きやすい棋戦です。タイトル戦となった第3期叡王戦では、共にタイトル戦初登場の高見泰地六段(現七段)と金井恒太六段による番勝負となり、高見七段が叡王になりました。第4期でも永瀬拓矢七段(現二冠)が挑戦者となり、初タイトルを獲得しています。
現在の将棋界2強に若手五段棋士が挑むという構図の準決勝。永瀬叡王への挑戦権を懸けた挑戦者決定三番勝負に進出するのは果たして誰になるのか。目が離せません。