JR北海道は12月4日付で、2019年度第2四半期まで(4~9月)の線区別の収支と利用状況を公表している。2018年9月の台風21号と北海道胆振東部地震からの回復や、新千歳空港アクセスの利用の増加などで運輸収入が増加し、全道で営業収益が増加。これにより、営業赤字は前年度より8億5,100万円減り、218億円となった。
中でも札幌圏4線区は新千歳空港アクセスの増加もあり、営業収益が12億1,500万円増加した。新札幌駅付近での高架橋修繕などで営業費用も増えたが、除雪の発生しない第2四半期時点での営業損益は4億6,100万円の黒字となった。
JR北海道がバス転換を前提としている輸送密度200人以下の「赤・茶線区」4区間の営業損益は前年度並みで、10億円の赤字。同社が「単独では維持できない区間」と位置づける「黄線区」8区間は、「くしろ湿原ノロッコ号」や「風っこ そうや」号といった観光列車の効果で運輸収入は増加したが、線路や橋梁の修繕が増加し、営業損益は前年度並みの61億円の赤字となった。
北海道新幹線の営業損益も前年度並みで、31億円の赤字。開業3周年キャンペーンの効果などもあって営業収益は9,900万円伸びたが、在来線との共用走行区間でレールや電車線の交換にかかる費用が増加した。