2019年10月から放送開始となったTVアニメ『歌舞伎町シャーロック』。そのエンディングテーマである、ロザリーナの「百億光年」が11月20日にリリースされた。

TVアニメ『妖怪アパートの幽雅な日常』のOPテーマや、『からくりサーカス』のOP/EDテーマなど、アニメ作品の主題歌をはじめ、キングコング・西野亮廣の『えんとつ町のプペル』のテーマ曲を歌唱、さらにドラマ主題歌やNHK“みんなのうた”など、幅広いシーンで活躍するロザリーナが放つ渾身の1曲となる「百億光年」は、亀田誠治が楽曲プロデュースを担当。アニメでのオンエア開始から大きな話題を呼ぶ本作のCDが、11月20日、満を持してのリリースとなった。

そこで今回は、「百億光年」の発売にあたりロザリーナ自身が語った作品の魅力についてを紹介しよう。

●ロザリーナが語る「百億光年」の魅力

――『歌舞伎町シャーロック』のエンディングテーマとなった「百億光年」はどのように作られたのですか?

実は以前からあった曲で、1コーラスまでしか作っていなかったのですが、アニメスタッフの方から、この曲を使いたいというお話をいただいたので、あらためて2コーラス目以降を作った感じです。『歌舞伎町シャーロック』は、原作のないアニメなので、2コーラス目以降は、いただいたキーワードを意識しながら作っています。もともと私が曲作りをはじめた頃に作ったのですが、。まだライブなどでも歌ったことがない曲です。

――アーティストを目指しはじめた頃の曲なんですか?

当時は、曲が作れないと歌手にはなれないと思っていた時期で(笑)。ちょうど、音楽をやりたいけど、友達と遊んでしまって、全然進まない。でも、自分がこうやって遊んでいる間に、周りの人たちはみんな頑張っているんだろうな、このままで本当に歌手になんかなれるんだろうか……そんなことを終電などでふと考えたりする、そんな時期に作った曲ですね。

――「百億光年」という言葉は何を意味していますか?

ちょうど冬頃、夜空にオリオン座が見えて……、オリオン座の星って、実はすでに消えているかもしれないという話を聞いたことがあったんです。本当はもう存在していないんだけど、光だけがまだ残っている。それってすごいことじゃないですか。すでに消えてしまった後だけど、光はちゃんと、今ここにいる私のところに届いている。この不思議、この神秘がすごいと思い、それを“願い”、そして“救い”として書いた曲です。

――『歌舞伎町シャーロック』のエンディングテーマという話を聞いたときの感想はいかがでしたか?

原作のある作品だと、絶対にその作品の曲にしなければならない。そこまではいかなくても、最低でも、その作品のファンの方には納得してもらえる曲にしたい。そのプレッシャーはすごいんですよ。一方、原作のない『歌舞伎町シャーロック』の場合、「百億光年」の中に、“救い”というキーワードを見出してもらえたことがそもそもうれしかったですし、自分で考えたものが、そのまま歌になっているところもすごくうれしいです。

――2コーラス目は、EDテーマに決まってから追加したというお話でしたが、1コーラス目との差はどのあたりにありますか?

1コーラス目は、キラキラした目で、夢や未来を見つめていた時代の自分で、2コーラス目は、それから月日が経って、昔の自分を眺めているようで、本当に長い時間をかけて作った曲になっています。もちろん、1コーラス目も自分の気持ちだし、今でも変わらない気持ちなのですが、今だと絶対に書けないです。若くて、キラキラしていて(笑)。

――あらためて2コーラス目を作るにあたって苦労したところはありますか?

「百億光年」は“救い”をテーマにした楽曲なんですけど、あらためて“救い”とは何かを考えると、すごく難しくて……。“救い”って人によって違いますからね。でも、アニメの方が、「百億光年」の1コーラス目を“救い”と捉えてくれたのであれば、素直にその続きを書けば良いんだなって。

――「百億光年」が第2話で流れたときはいかがでしたか?

第1話のEDはEGO-WRAPPIN'さんのOPテーマだったんですけど、すごく作品にマッチしていて、とてもいいなと思っていて。なので、第2話で「百億光年」が流れたら、はたしてどうなるんだろうと思って。自分でも想像ができなかったのですが、第2話で実際に流れた時には「あ、流れた」くらいの感じでした(笑)。