プロ棋士がA級、B級1組、B級2組、C級1組、C級2組と5つのリーグに分かれて、1年をかけて争われる順位戦(主催:朝日新聞社・毎日新聞社)。各クラスの上位者が昇級、下位者が降級するリーグ戦で、A級の優勝者が名人への挑戦権を得て名人戦の舞台に立つことができます。

6連勝が3人、白熱の第78期順位戦C級1組

藤井聡太七段

昇級争いトップを走る藤井聡太七段

11月5日にはC級1組、全10回戦中の第6回戦が行われました。5回戦目までで負けなしの5連勝で折り返したのは藤井聡太七段、佐々木勇気七段、石井健太郎五段の3人。6回戦で藤井七段は青嶋未来五段に、佐々木七段は門倉啓太五段に、石井五段は島朗九段にそれぞれ勝ち、全勝をキープしました。

C級1組からB級2組に昇級できるのは原則として2人。残りの4回戦が昇級を目指す戦いの正念場になります。「原則として」と書いたのは、もし3人が最後まで全勝をキープし続けた場合は例外的に3人昇級となるためで、こちらの可能性も残っています。いずれにせよ、残り4回戦が負けられない戦いであることに変わりはありません。

藤井七段が前期、師匠である杉本昌隆八段と最後まで昇級争いを演じたのは将棋ファンの記憶に新しいところ。8回戦まで全勝で来ていましたが、9回戦で近藤誠也六段に敗れ惜しくも昇級を逃しました。「今期こそは」の思いがあるはずです。

佐々木七段は小学校4年生で小学生名人戦優勝、16歳で四段昇段など、早くからその棋才が高く評価されてきた棋士。藤井七段の連勝記録を29で止めた棋士としても有名です。横歩取りを得意とし、鋭い攻めに定評があります。

石井五段は居飛車の矢倉と振り飛車の四間飛車が得意というやや珍しいタイプの棋士。毎年コンスタントに高い勝率を残していますが、今期は17勝8敗(勝率:0.680)と特に好調です。6回戦も見事に矢倉で勝利を収めました。

昇級争いをリードするのはこの3人ですが、他にも及川拓馬六段、佐藤和俊七段が1敗で追いかけており、虎視眈々と昇級を狙っています。最後に昇級を勝ち取るのは誰でしょうか、残り4回戦に注目です。