第69期大阪王将杯王将戦挑戦者決定リーグ戦(主催:スポーツニッポン新聞社、毎日新聞社)の広瀬章人竜王-羽生善治九段戦が11月1日に、広瀬竜王-久保利明九段戦が4日に行われ、ともに広瀬竜王が勝利し、リーグ成績を4勝1敗としました。

挑戦権を懸け最終戦で藤井聡太七段と激突!

広瀬章人竜王

広瀬章人竜王

羽生九段戦は角換わりの最新形の将棋から互いに一切妥協しない激しい戦いに突入。切り合った先、最終盤の局面の形勢判断で羽生九段に誤算があり、広瀬竜王が優勢に。しかし、自玉は守り駒をすべてはがされ、敵駒に包囲される一見絶体絶命な局面を迎えます。そこで広瀬竜王は王手を連続でかけて敵玉を誘導し、王手竜取りをかけるという絶妙な手順で自玉の憂いを取り払い、無事にゴール。107手で勝利となりました。

また、久保九段戦は久保九段の先手中飛車に急戦策で応戦。この急戦は広瀬竜王のほか、藤井聡太七段も得意としている作戦です。久保九段の無理気味な攻めを竜を自陣に引き付けるなどしてがっちり受け止め、攻めが息切れしたタイミングで厳しく反撃し、92手で勝利を収めました。

この2戦の結果、広瀬竜王はリーグ成績を4勝1敗として最終戦を迎えることになりました。相手は藤井七段です。藤井七段は現在3勝1敗。もし藤井七段が次戦の久保九段戦に勝利すれば、最終局は勝ったほうが挑戦権を獲得する大注目の一戦となります。また、藤井七段が3勝2敗の成績で臨んできた場合には、広瀬竜王はリーグ順位がよいため、敗れてもプレーオフに進出となります。

その久保九段‐藤井七段戦は14日に、広瀬竜王-久保九段戦は19日に行われます。挑戦者争い、またリーグ残留を懸けた戦いが佳境を迎えている王将戦からこれからも目が離せません。