小田急電鉄の新型通勤車両5000形が出場し、神戸市内の山陽本線・東海道本線を走行。東京方面へ輸送された。5000形は2020年度までに10両編成を6編成、計60両を導入する計画とされ、2019年度中に1編成が営業運転を開始する予定となっている。
新型通勤車両5000形の製作会社は川崎重工と総合車両製作所。10月31日、10両編成のうち6両(1~6号車)が神戸市内の工場を出場し、ディーゼル機関車DE10形1743号機の牽引で神戸貨物ターミナル駅へ運ばれた。5000形はオールステンレス製の拡幅車体で、車体側面の窓下にアズールブルー・インペリアルブルーのラインをあしらった。
外観において、小田急グループのブランドマークや車両番号、大型強化ガラスを用いた車両間の仕切り扉なども確認できる。車両番号は1号車が「5451」(女性専用車)、2号車が「5401」(弱冷房車)、3号車が「5351」、4号車が「5301」、5号車が「5201」、6号車が「5251」。パンタグラフは4・5号車に1基ずつ。台車に「日本車両」、1号車の整流装置と4号車のSIV装置に「TOSHIBA」のロゴが入っていた。
残り4両(7~10号車)は11月1日、前日と同じくディーゼル機関車DE10形1743号機の牽引で出場。神戸貨物ターミナル駅に運ばれ、前日の6両と連結して10両編成となった。午後に出発し、神戸市内の山陽本線・東海道本線を走行。スピード感を演出したという流線形の車両先頭部も見ることができた。
小田急電鉄の通勤車両として12年ぶりという新型車両5000形は、「より広く、より快適に」をキーワードに、デザインにおいて車内空間の広さ、明るさ、安心感、優しさを追求。拡幅車体を採用して車内スペースを拡張するとともに、時代を超えて利用者の生活に溶け込むように、価値観の変化にとらわれないシンプルなデザインとしている。
各車両に車いすスペースを1カ所設け、同社の通勤車両では初という車内防犯カメラも設置するなど、より安心感のある車内環境も提供する。小田急電鉄では代々木上原~登戸間の複々線を活用した抜本的な輸送サービス改善に加え、新型通勤車両5000形の導入を推進することにより、さらなる快適な輸送サービスの実現をめざすとしている。