ドリーム・アーツは10月10日、「大企業における働き方改革の意識調査」の結果を発表した。調査は9月13日~16日、従業員規模1,000人を超える大企業の役員100名、および社会人3年目以降の非役職者500名を対象にインターネットで行われた。

  • 生産性向上のために今後解決したい課題

    生産性向上のために今後解決したい課題

調査によると、大企業役員のおよそ9割(87.0%)が「働き方改革に取り組んでいる」と認識している一方で、現場社員の約7割(68.8%)が「働き方改革によって業務の生産性は向上していない」と感じているとのこと。

そこで、生産性向上のために今後解決したいと考えている課題を聞いたところ、「無駄な業務の削減」(70.4%)や「他社員や他部署とのノウハウ・情報共有」(37.4%)など、大企業ならではの伝統や縦割り的な組織に関連する課題が浮き彫りに。

  • 生産性向上等のITシステムに満足していない理由

    生産性向上等のITシステムに満足していない理由

また、稟議システムや文書管理、ペーパレス化などの生産性向上・業務効率化に関するITシステムを導入している大企業では、現場社員の約4割(40.9%)が「導入されていたITシステムに満足していない」ことが明らかに。その理由について尋ねると、4人に1人が、システムや機能が「実際の現場の業務と合わなかった」(27.5%)、「求めている機能と違った」(27.5%)と感じていることがわかった。

一方、ITシステム導入を決裁した役員の22.2%が「ITシステムの導入にかかった期間がわからない」と回答。従業員規模が1万人を超える大企業の役員に限ってみると、その割合は36.4%と高い割合に。さらに、導入するにあたって想定以上に時間がかかったと感じたかを尋ねたところ、役員の35.2%が「わからない」と回答。従業員1万人超の大企業においては、半数以上(54.5%)の役員が「わからない」と回答するなど、自社のITシステムの導入・活用についてほとんど把握できていないといえる結果となった。

  • 「意思決定在庫」が溜まる要因

    「意思決定在庫」が溜まる要因

次に、日常の業務内で意思決定が決裁者の前で滞ってしまっている状態、いわゆる「意思決定在庫」が溜まってしまっていると感じた経験について聞いたところ、現場社員の半数以上(55.6%)が、ワークフローの申請・承認作業において「意思決定在庫」による業務の停滞を感じたことがあると回答した。

要因については、「意思決定に関わる人間が多い」(48.2%)や「決裁者の承認が遅い」(44.9%)といった回答が多かったほか、約4人に1人(22.8%)が、未だに「申請業務を紙で行っているため」と回答。大企業では、独自の業務や意思決定に介在する人の多さといった理由から、ITシステムを活用した業務改革が実際の現場では進んでいないという課題が浮き彫りとなった。