武田コンシューマーヘルスケア、帝人、東亜薬品工業、森永乳業の4社は「大腸活コンソーシアム」の設立を9月24日に発表した。大腸ケアに関する情報発信の基盤づくりとともに、商品、売り場を通じて情報を提供。9月26日を「大腸を考える日」に定め、啓発の機会を増やしていきたいとする。
大腸は健康のかなめ
「大腸活コンソーシアム」は、日本人の健康増進に貢献してきた武田コンシューマーヘルスケア、帝人、東亜薬品工業、森永乳業の4社が共同で発足した共同事業体だ。近年、大腸に生息する腸内フローラの研究が進歩し、論文件数は飛躍的に増加。大腸が健康のかなめであることが明らかになっている。
大腸活コンソーシアム 事務局の山田氏は「なかでもキーファクターとなるのが酢酸、酪酸、プロピオン酸などの短鎖脂肪酸」と説明する。これらはビフィズス菌や酪酸菌などの善玉菌が、水溶性食物繊維などのエサを得ることによって産生されるもの。お酢を飲んだからといって腸内フローラが短鎖脂肪酸で満たされることはない。
だが、大腸に関する知識はまだ一般には浸透しているとは言い難い。大腸劣化対策委員会が8月に全国の20~60代男女1,000名を対象に行った調査によると、32%が大腸と小腸の場所の区別がついておらず、60%は腸内フローラの存在場所が分からないと答えたという。
そこで、健康長寿のかなめである大腸を意識してケアする活動を「大腸活」と定め、「お腹の調子を整える」という腸活から、「大腸ケア」に焦点を絞って、整腸市場をより進化させることがコンソーシアム設立の目的だ。
3種の活性菌を配合した「ビオスリー」
武田コンシューマーヘルスケアの陳野重也氏、東亜薬品工業の佐藤直樹氏は、大腸活に向けて同社の整腸剤ブランド「ビオスリー」を紹介。
糖化菌、乳酸菌、酪酸菌という3種の共生して増殖できる活性菌を配合しており、大腸の主要なエネルギー源になるうえ、蠕動運動を促進し、便通にも効果を発揮するとアピールする。
両社は館林市健康寿命延伸プラットフォームに参画しており、そのほかにも酪酸菌に関する様々なセミナーや啓発活動、勉強会を開催しているという。
スーパー大麦「バーリーマックス」と水溶性食物繊維「イヌリア」
帝人の森山直彦氏は、腸内環境を整えるプレバイオティクスに注目した帝人の機能性食品素材事業について説明。善玉菌のエサとなる食物繊維として、スーパー大麦「バーリーマックス」、発酵する食物繊維「イヌリア」を紹介する。
「バーリーマックス」はオーストラリアで開発された食物繊維を質・量ともに兼ね備えた大麦で、ファミリーマートのおにぎりなどですでに使用されており、緑のマークが付いている商品でバーリーマックスを使用しているという。
「イヌリア」は玉ねぎやニンニク、バナナなどに含まれる水溶性食物繊維「イヌリン」を用いた素材で、欧州ではパンや乳製品などに用いられている。いつもの食事にプラスすることで手軽に水溶性食物繊維を補えると森山氏はアピールした。
「ビヒダス」にイヌリンを配合した新商品
森永乳業の兵頭仁志氏は、森永乳業が研究・開発を進めてきたビフィズス菌、ラクトフェリン、シールド乳酸菌、ペプチドなどを紹介。「赤ちゃんの健康を守る」を原点に1968年に誕生した「ビフィズス菌BB536」について、2019年7月に研究成果をまとめた総説を発表したことを報告した。
さらに、「ビフィズス菌BB536」と帝人の「イヌリン」を配合した新商品「ビヒダス シンバイオディクス プロテインヨーグルト」を発表。9月末からビヒタスのパッケージをリニューアルし、大腸サポートと大腸活の訴求を始めたことを伝えた。
9月26日は「大腸を考える日」
最後に山田氏は、9月26日を「大腸を考える日」に制定したことを伝えた。9は大腸の形を表し、26はフローラの語呂合わせだという。
「まずは4社が中心になることは間違いございませんが、賛同、協力いただける企業や団体に呼び掛けを行っていき、仲間を作っていきたいと思います。令和の健康スローガンとして『始めよう! 大腸活』を掲げて、啓発活動を進めていきます」と山田氏は述べた。