昨今の「シビ辛」ブームもあり、様々なスパイスを効かせた料理の人気はすっかり定着した様子。暑い季節にも、辛くて痺れるグルメを楽しんだ人もいるのでは? でも、ただただ辛かったり痺れるだけじゃ、物足りない。今回は、本格的な四川料理で人気の「個室中華 唐文記 浜松町店」に行ってきた。

  • 奇をてらわない王道の四川中華料理が人気

本格的な四川料理が味わえる人気店

JR浜松町駅から徒歩3分、都営大江戸線大門駅のA1出口から徒歩1分。「個室中華 唐文記 浜松町店」は全部で3フロアの客室を持つ、オープンして9年目のお店。本格的な四川料理が比較的リーズナブルな価格で食べられるということで、ランチからコース料理まで多くのお客さんが連日足を運んでいる人気店だ。とくに看板メニューの「四川麻婆豆腐」(税抜1,200円)は評判なんだとか。初代の料理長は横浜中華街の四川料理の名店出身だったそうで、オーナーがその味を食べてから麻婆豆腐の魅力を知り、現在の日本人シェフにその味を再現をしていただいているそうだ。そこで、「四川麻婆豆腐」を中心にいくつかメニューを紹介してもらった。

  • 3フロアで客席は150席(1階35席、2階50席、3階60席)あるので会社の宴会にもぴったり

食がどんどん進む王道の四川中華料理

まずは、前菜の「よだれ鶏」(税抜1,200円)をいただいた。タレをたっぷりとつけて食べてみると、しっとりと柔らかく鶏肉とタレの鮮烈な味が相まってとても美味しい。また、タレは意外と思ったよりも辛くない。前菜ということもあり、この時点で強烈な辛さにしてしまうと、口に辛さが残って後から食べる料理も全部同じに感じてしまうということで、辛さは控えめにしているそうだ。このあたりに、料理人の丁寧で繊細な腕前と、店を訪れた人に美味しいものを食べてもらいたいという真心を感じることができる。

  • やみつきになりそうな「よだれ鶏」もおすすめ

続いて「四川麻婆豆腐」へ。これはさすがに見るからに辛そう。うん、これは辛い!だけど、それよりもしっかりとコク深い旨味の方が口に広がってくる。辛さと美味さが絶妙な加減で両立されている感じで、どんどん口に運びたくなる。

  • 「四川麻婆豆腐」は辛い、ウマいの繰り返しであっという間に食べてしまった

シェフにこだわっているポイントを訊いてみたところ、味付けのどこかが多いとしょっぱかったり辛すぎるため、麻(マー)と辣(ラー)のちょうど良いところを見つける部分、調味料のバランスを取るところに一番手間暇をかけているのだとか。油を火にかけて辣油を作るのにも、2時間ほどかかっているという。できるだけ食べやすい辛さにはしているそうだが、もっと辛くしてほしいというお客さんには辛さの調整もしているそうだ。また、豆腐はプルプルと柔らかいのにしっかりと食べ応えがある。これは、日本人好みのツルっとした絹ごし豆腐にするとタレにあまり絡まないということもあり、そのあたりのバランスを考えて柔らかめのもめん豆腐を使っているのだとか。

「北京ダック」ならぬ「四川ダック」もご紹介いただいた。正式には「樟茶鴨」(ズィヤン・チャー・ヤー)と呼ばれる料理で、クスノキのチップとお茶の葉でいぶして燻製にしたスモークチキンだ。芳醇な燻製の香りがじつに美味しそう。

  • 「四川ダック」(「樟茶鴨」)はコース料理での提供となっているが、他ではめったに食べられない逸品だ

まずはそのまま肉を食べみたのだが、燻製なのにパサパサしたところは全然なく、柔かい肉の食感と絶妙な塩気がお見事。ほんのりと八角が香っていて食欲をそそる。タレをつけてパンに挟んで食べると、タレの甘さと肉の塩気が合わさってさらに良い。初めて食べたけど、ものすごく美味しい。完成するまでには2、3日かかっているそうで、生の肉を八角などの香辛料が入った塩水に漬けることでしっかりと味を付けてから1日置き、翌日にお茶でいぶして燻製にかけ、もう一度少し塩味を加えて香辛料を入れ、ボイルする。さらに提供する前に揚げているのだとか。それだけの手間がかかることもあり、現在は単品での提供はなく、1万円コースの中で提供されるメニューとなっている。特別なときに味わいたい逸品だ。

  • 手間暇かけた燻製の香りが食欲をそそる

「四川麻婆豆腐」にハマってリピーターになるお客さんも多いという「個室中華 唐文記 浜松町店」。まずは一度足を運んで、王道な四川中華料理の味を体験してみてほしい。

●information
「個室中華 唐文記 浜松町店」
東京都港区浜松町2-1-8
月~金:11時30分~14時30分(L.O.14時) / 17時~22時45分(L.O.22時)
土・祝:11時30分~14時30分(L.O.14時) / 17時~20時45分(L.O.20時)
休:日曜