場所や時間にとらわれず、柔軟に働ける新しい雇用形態「テレワーク」。働き方改革のひとつでもあるため、言葉自体の認知度は高いと思います。
現在は「一部の業界だけの話でしょ?」と関心を持っていない方が多いかもしれませんが、実は今後普及していく可能性もあり、他人事ではないんです。
今回は1年間テレワークを実践した筆者が、テレワークのメリットや、気を付けた方がいいポイントを紹介します。
テレワークとは?
テレワークは大きく、「企業に勤務する被雇用者が行うもの」と、「自営業者が行うもの」に区分されております。今回取り上げるのは、前者の被雇用者向けのテレワークについてです。
テレワークは、働く場所によって、以下の3つに分けられています。
(1)在宅勤務
自宅でPCや携帯を使用し、会社とやり取りする働き方。
(2)モバイルワーク
顧客先や移動中にPCや携帯を使用する働き方。
(3)サテライトオフィス勤務
勤務先以外のオフィスでPCなどを利用する働き方。
みなさんの周りの企業でも、(1)~(3)のいずれかを組み合わせて導入しているケースが多いのではないでしょうか。職種やスキルによってどの方法が良いのか、適した働き方を考えましょう。
最近だと政府が、2020東京オリンピックの交通混雑を避けるため、企業や団体にテレワークの実施を呼びかけるなど、積極的に推奨しています。スタートアップ企業では当たり前になっているテレワークですが、今後様々な業界で普及していくでしょう。
テレワークのメリット
テレワークのメリットとしては、主に下記があげられます。
・移動時間のロスが無い
・他人の目を気にせず作業できる
・育児、介護など何らか制約のある人でも働きやすい
・居住している地域に関わらず働ける
上手く活用出来れば無駄な時間を減らし、生産性を向上させ、良いことばかりです。しかし、まだ導入事例が少ないこともあり、知られざる罠があることもまた事実。
そこで正社員・フリーランス、2つの立場でテレワークを実践した筆者が、その経験を踏まえ発見した、テレワークを成功させるための5つのポイントを紹介します。
成功させるための5つのポイント
(1)サボらない仕組みをつくっておく
誰にも見られていないと、最初は真面目に業務に取り組んでいても、日が経つごとについつい気が緩んでしまいます。ベッドから起きられなかったり、スマホを触ってしまったりと、家やオフィス以外の人から見られていない場所では特に注意が必要です。
「眠くなるなら外に出る」「無駄な場所に立ち寄ってしまうなら近づかない」など根本の原因を断ちましょう。「特定の音楽を聴くと作業モードになる」といったルーティンをつくるのもオススメです。しかし、軽いリフレッシュのつもりが、結果的に生産性を下げている可能性もあるので定期的に自分の行動を見直しましょう。
(2)作業しやすいカフェを複数見つけておく
テレワークを実施するにあたり、カフェで作業をすることも多いかと思います。充電とWi-Fiが設置されているカフェは席が埋まりやすく、店に入れない事態もしばしば。
納期が迫り業務が立て込んでいる時は、作業スペースが確保できないことはストレスです。自分が活動するエリアの作業スペースの混雑状況などは、事前に調査しておいてください。
(3)信頼関係の構築を意識的に行う
ここからは、週の出社が少ない方は特に意識して取り組んで欲しいポイントです。
テレワークをしている側は毎日真剣に取り組んでいるつもりでも、オフィスにいる社員からは顔が見えておらず、メッセージでのやり取りと提出物だけが印象の全てです。
返信が遅いだけで「あいつ大丈夫かな……」と思われてもおかしくありません。
目に見えない分、コミュニケーションの取り方や、作業のホスピタリティについては、通常の勤務よりも注意して行動してください。テレビ会議などメンバーと話せる機会があれば積極的に参加し、日頃から信頼関係をつくっていきましょう。
(4)評価基準を明確にしておく
コミュニケーションに加え、問題となるのが「評価」です。曖昧にしておくと、悪い方向に転ぶことも往々にしてありえます。
勤務時間を重視する企業もあればしない企業もあります。また、作業のアウトプットの仕方もさまざまです。組織によって異なりますので、テレワークを始める前にルールや成果については明確にしておきましょう。
(5)たまにオフィスに顔を出す
遠隔で働いていると孤独な作業が多いですが、オフィスには常に誰かがいて、いつでも相談できるのが良いところ。テレワークを数回経験してから出社すると、当たり前だったオフィスのメリットに気付けます。
毎日の作業にメリハリも出ますし、社内のコミュニケーションも取れるので、適度にオフィスに顔を出すことをおすすめします。
ただでさえ毎日満員電車の中、通勤するのは嫌なもの。それが東京オリンピックの時期はより増すと思うと恐ろしいですよね。少しでも仕事の効率を上げられるよう、本稿を参考に上手くテレワークを導入してみてください。