日本各地に台風が上陸する季節となりました。自宅周辺にどのような自然災害が起きやすいか予測した「ハザードマップ」を活用して大雨や浸水などに備えておきたいところです。

ところが約4割の人がハザードマップを見たことがないというアンケート結果もあり、まだまだ浸透しているとはいえません。今回は自然災害に備えるための「ハザードマップ」の見方と活用法をご紹介します。

ハザードマップで自宅周辺のリスクを把握していない人が約6割!

近年、地震に豪雨、土砂災害、浸水など、さまざまな自然災害が各地で頻発しています。なかでも夏~秋にかけて発生するのが、台風とそれに伴う風水害です。

水の影響は恐ろしく、住んでいる場所によって浸水や洪水、内水(大雨で下水道管や水路がいっぱいになり、マンホールなどから水があふれること)、土砂災害などの被害が発生します。そのため、都市部でも山間部でもまったく風水害と「無縁」と言い切れる人は少ないことでしょう。

最近では、こうした自然災害の被害予測をまとめた「ハザードマップ」を国土交通省や自治体が公表し、災害に備えるよう、情報を発信しています。ただ、損保ジャパン日本興亜が2019年7月に発表したアンケート調査(※1)によると、「ハザードマップを見たことがないと答えた人(知っているけれど見たことがない、ハザードマップを知らない、どこで見られるのかわからないと答えた人)」は、約4割にのぼるのです。

  • 損保ジャパン日本興亜のアンケート調査より筆者作成。2019年6月実施のインターネット調査による。N=1047

また、ハザードマップの存在そのものは知っていても、自宅付近の水害リスクについて確認していないと答えた人も2割超ほどいます。あわせると、自宅付近の水害リスクについては6割もの人が見たことがないことになります。自分や家族の命と財産を守るためにも、ハザードマップをぜひ一度、確認しておきたいものです。

スマホやPCでも確認、子どもとは紙のハザードマップで共有を

住んでいる自治体によっては、住民に紙のハザードマップを配布しているところもありますが、町内会に未加入など、地域と接点がない人は入手しにくいことでしょう。そこで、まずすぐにチェックできるのが、スマホやPCです。

「国土交通省 ハザードマップ」で検索すると、国土交通省のハザードマップのポータルサイトにいきつくはず(※2)。そこで「重ねるハザードマップ」か「わがまちハザードマップ」が出てきますので、タップして進みます。

  • 災害リスクを調べられるハザードマップポータルサイト

重ねるハザードマップでは、洪水、津波、土砂災害、道路防災情報の災害種別から選択することができます。この重ねるハザードマップのすごいところは、自宅はどのような災害リスクが高いのかひと目でわかる点です。複数の災害リスクが高い地域もあれば、土砂災害の危険が高い地域など、住んでいる場所の特性を知ることが、防災の第一歩といえるでしょう。

  • 横浜市の「洪水」のリスクは?で調べてみた

わがまちハザードマップは、市町村が作成したハザードマップへリンクします。地域ごとのさまざまな種類のハザードマップを閲覧できるので、住宅を借りる時、買うときは一度、チェックしておくのがおすすめです。

  • 横浜市で検索すると提供しているハザードマップが提示される

ちなみに筆者宅は土砂災害の危険はないもの、洪水のリスクが非常に高いことが「重ねるハザードマップ」でわかりました。さらに洪水や浸水被害について詳しく知るため、同じく国交省の「地点別浸水シミュレーション検索システム」を確認すると、想定最大規模の洪水が発生した場合、3~5mの浸水被害が想定され、さらに24時間程度、水がひかないことが判明。

以前、ハザードマップを見たときよりも被害予測が大きくなっていることから、自然と「知りたくなかった……」という気持ちにもなります。ただ、「30年に一度」「50年に一度」という想定以上の自然災害が日本全国で多発していることを考えると、明日は我が身だと気持ちになり、防災意識も高まります。

このハザードマップを見たら、避難所の確認、避難の方法を家族で考えておきましょう。避難方法も、できるだけ複数の道順や方向からのアクセス方法を考えておくとよいでしょう。また、避難所といっても万全ではありません。

筆者宅最寄りの小学校や中学校の避難所は、洪水でどちらも浸水してしまうことがわかっています。つまり、避難所が機能しない場合ことも想定されるのです。わが家には小さな子ども2人と猫がいるので、大変な被害が予想された場合、少し早めにどこか安全な場所へ避難しなくてはいけないなと覚悟しました。

  • 自治体で配布のハザードマップを自宅で保管しよう

自治体で作成し、配布しているハザードマップ。ひと目でわかり、書き込みや保存もしやすいので、持っていない人は行政や出張所などでもらってみてはいかがでしょうか。

こうしたハザードマップですが、ネット環境で見ることもできますが、あわせて紙でも保管しておき、警報が出たときは家族と相談できるようにもしておくのがおすすめです。紙のよいところは、小さな子どもでもイメージができ、情報を書き込んでおき、持ち運びしやすい点にあります。区役所や行政の出張所などでも配布しています。自宅にない人は、役所に足を運んだついでにもらい、保管しておくことをおすすめします。

  • 回遊舎

嘉屋恭子

フリーライター。編集プロダクションなどを経て、2007年よりフリーランスで活動。 主に住まいや暮らしに関わる分野で取材・執筆を続ける。FP技能士2級取得