第1期ヒューリック杯清麗戦五番勝負は、9月7日に石川県金沢市「ホテル日航金沢」で第3局が行われ、里見香奈女流五冠が甲斐智美女流五段を120手で下して勝利。3連勝で初代の清麗位を獲得するとともに、史上初の女流六冠(清麗、女流王座、女流名人、女流王位、女流王将、倉敷藤花)を達成しました。

第1期ヒューリック杯清麗戦五番勝負は、里見香奈女流五冠が甲斐智美女流五段をストレートで下す

里見香奈女流六冠

これまでの女流五冠でさえ、大変な偉業です。他の女流棋士では清水市代女流六段の女流四冠(当時全冠)が最高で、里見さん以外に達成者はいませんでした。それを今回さらに更新して、六冠獲得の大記録を成し遂げたのでした。

現在、女流のタイトル戦は7つあり、残るはマイナビ女子オープン(称号は女王)です。里見女流六冠が全七冠制覇を果たすには、女流王将、女流王座、倉敷藤花、女流名人を全て防衛し、マイナビ女子オープンの本戦トーナメントを4連勝で勝ち上がり、なおかつ西山朋佳女王との五番勝負で勝利する必要があります。

途方もなく厳しい道のりではありますが、今回の清麗戦でタイトル獲得通算7期の実力者、甲斐女流五段を寄せ付けなかった強さを見ると、不可能だとは思えません。

里見女流六冠は清麗獲得後のインタビューで目標について問われた際に、「棋力的にもまだまだ弱さを感じるところがたくさんありますので、日々を大事にして棋力向上に努めたいです。これからも、目の前の一局一局を大切に指していきたいと思います」と謙虚に語りました。この謙虚さと勤勉さが里見女流六冠の強さの源なのかもしれません。これからの戦いに、ますます注目が集まります。