G20観光大臣会合実行委員会とG20MTM学生サポーターズ、内閣官房まち・ひと・しごと創生本部事務局、内閣府地方創生推進事務局は8月27日、札幌国際大学で「地方創生ワカモノ会合 in 札幌~観光で、地域は変わる」を開催した。
この会合は、G20関係閣僚会合と連動して全国8カ所で実施。次代を担う若者に「地域の未来は明るくなる」「自分にも何かできるかもしれない」という気付きを持ってもらうことを狙いとしているという。学生を中心に約7割が30代以下の若い参加者が集まり、会場は熱い熱気に包まれた。
「関係人口」の増加は、地方への移住に結びつく
内閣府副大臣の中根一幸氏と北海道副知事の土屋俊亮氏による開会挨拶の後、内閣官房まち・ひと・しごと創生本部事務局次長の田中由紀氏が登壇。政府が進める地方創生の取り組みについての説明が行われた。
前半は主に人口減少の推移と人口移動の状況が説明され、東京に人口が一極集中する現況がデータをもとに語られた。特に東京圏への転入超過数の大半は10代後半〜20代前半の若者が占め、大学などへの進学や就職がきっかけになっていること、さらに女性の転出数が少ないことから、女性は転入しても戻らない傾向があることが示された。
後半は、政府が取り組む「まち・ひと・しごと創生総合戦略」の説明があり、その中から「関係人口」というキーワードに焦点が当てられた。
これは、定住には至らなくても地方と関わりを持つ人の裾野を広げていこうというもので、たとえば地方へのお試し移住、農山漁村での田舎生活体験なども含まれ、関係人口を増やして地方への移住に結び付けていく狙いだ。
北海道のブランディングにアドベンチャートラベルを生かす
関係人口を増加させるためには、観光客を増やすことが重要。人口が年々減少する中、それに伴い減った消費額分を観光で補うことが非常に大事になるという。そこで政府は、スポーツ・健康まちづくりの推進に着目し、アクティビティ・自然・異文化体験の要素を備えた「アドベンチャートラベル」を北海道のブランディングに生かしていけると考えている。
今や観光は団体旅行から個人旅行へと移行する時代。「アドベンチャートラベルは個人個人のテーラーメイドの旅となり、北海道と時代がピッタリ合ってきているのではと思います」と田中氏は語った。
世界に向けたクリエイティブについて語った特別講演
取り組みの説明後の特別講演では、リオデジャネイロオリンピックの閉会式で東京オリンピックへの引き継ぎ式の演出を手掛けた電通のエグゼクティブ・クリエーティブ・ディレクター菅野薫氏が世界を意識したグローバルな視点からの表現・発信について解説。
そして、クリプトン・フューチャー・メディア 代表取締役 伊藤博之氏が、自身が手掛けたキャラクター「初音ミク」や北海道発のクラウドファンディング「ACT NOW」、次の社会・未来を創るコンベンション「NoMaps」などの取り組みについて語った。