――ここで来泉ちゃんには少しお休みしてもらって、メディア関係の質問に移ります。昨今は1話完結のドラマが多く、本作のような“ザ・連続ドラマ”のような作品が少なくなっている印象を受けます。1話完結が主流のなか、“ザ・連続ドラマ”を演じられて、どのように感じてらっしゃるでしょうか。
三浦:もちろん、1話完結のドラマの面白みは絶対にあります。でも、演じる側としてお話をしますと、今回のようにラストへ向けて加速していく仕組みを熱を持って作っていけるという楽しさも。役の感情や風貌の変化、その変わりようは見てくださる方々にとっても興味を深めていったり関心を膨らませていけることにつながるのではないでしょうか。そしてそれは、1話完結じゃなく、ストーリーがずっと続いて展開していく作品の醍醐味と考えます。
――昨今はドラマにリアリティをもたせることが主流になっています。一方で本作では“フィクション”感が強く、躍動感のあるダイナミックな物語展開にもなっています。
三浦:そうですね。自分の中で守りたいものができて、この人のために変わりたいという存在ができたときに、人間はどう変われるか、“2週間”で人はどう成長するのか。そうしたテーマを届けるためにあえてダイナミックな展開にしているのではないかと僕は考えています。ダイナミックな展開があるからこそ、本来伝えたいことである“人間の成長”や“絆”がより強く視聴者に伝わっていく──お芝居をする中で僕たちも日頃感じたことのない感情に出会えるんです。実際に僕の心には、共演している来泉に“恥じない”言動をしなければならないという想いが。それを父性と呼べるかは正直分かりませんが、日常生活でも僕の中に変化が生まれていますので、そんなことを感じられるこの現場にいられるのが幸せですね。
――日常でほかにどのような変化が?
三浦:9話の台本を読ませていただいたんです。演じるのは楽しみなのですが、結城の感情に侵食されて、日常生活が興奮状態になってしまいそうな予感が。ある選択を迫られる状態に結城は追い込まれていきます。読んでいるだけで頭を抱えそうな感情にかられましたし、この2カ月、お芝居とは言え、来泉演じるはなちゃんに対して特別な思いを抱きながら過ごしてきたわけですから、例えカットがかかったとしても、その葛藤や苛立ちが心から消えないかも知れない。その結果、日常空間での生活の姿勢や雰囲気がいつもとは変わってしまいそうで…。そんな危険性をはらんでいるので、自分よがりで傲慢な日常生活にならないよう、気をつけなければと思っています(笑)
■OA見て反省…はなの表情に注目
――では最後に、今後の見どころを教えてください。
三浦:結城の表情の移り変わり。幻のはなちゃんではなく、実際にはなちゃんに会ったときに結城がどうなっているかは、これまでお話してきたような変化の蓄積がある分、よりいいものが見せられるように思っています。また、結城とはなちゃんの関係も、今までのものとは違い、そこから一歩進んだ、「一緒に頑張ろうね」というニュアンスも。だからまた違った見ごたえのあるシーンになっていくはず。来泉のかわいらしい、抜群の存在感も感じられると思いますよ。来泉は?
稲垣:う~ん……
三浦:なんだろうね。楽しみにしててほしいよね! とにかくね。
稲垣:あとは、オンエアを見返していて、幻のときのはなちゃんの表情がずっとほとんど一緒だったって気づきました。なので8話のシーンではそこをもっと工夫して、はなちゃんの気持ちや感情をもっと体に入れて、はなちゃんの感情のまんまの演技をしたと思っていますので、同じ顔じゃないと思います。
三浦:それも見てほしいね! うん、やっぱ来泉は感じているし、考えてるな。これからも一緒にがんばって撮影していこう!
稲垣:うん! パパと一緒にがんばります!