クリームにはどんな種類がある? おすすめの商品は?

クリームにはさまざまな種類があります。ここでは、その主な種類と特徴をご紹介します。それに合わせて、革の種類とそれに適したクリームについても見てみましょう。

1.乳化性クリーム

まず、必ず1つは持っておきたいのが「乳化性クリーム」です。

このクリームは革に潤いを与えることを目的として使うもので、「水分・油・蝋(ろう)」から構成されています。乳化性クリームの特徴は、柔らかく扱いやすいこと。革に馴染ませることで栄養と潤いを与えるほか、表面に自然な光沢を出すことができます。

乳化性クリームには、無色タイプに加えて、靴の色に合わせたカラーバリエーションがあり、色あせた部分の補正効果もあります。とはいえ、靴とまったく同じ色のクリームを探すのは難しいでしょう。なるべく靴と同系色のクリームを選ぶか、または少し薄めの色を選ぶことをおすすめします。

また、「黒色」にしか見えない靴であっても、実は濃紺色であった、ということもあります。不安な場合には、事前に手入れしたい靴の写真を撮影しておき、シューズショップの店員さんに聞いてみる、というのもいいでしょう。

乳化性クリームでおすすめしたいのは、BootBlack(ブートブラック)のBBクリーム55です。革なじみが良く色ムラも出にくいので使いやすく、キレイな仕上がりが期待できますよ。

  • 革靴 クリーム
  • 革靴 クリーム
  • 「ブートブラック」BBクリーム55。さまざまなカラーバリエーションがあります

2.デリケートクリーム

乳化性クリームの中には、「デリケートクリーム」と呼ばれるものがあります。これは、ほかのクリームと構成している成分が「水分・油・蝋」であるという点では大きく変わらないのですが、そのほとんどが水分であることが特徴です。

そのため、クリームというよりはどちらかというとジェルやゼリーのような質感のものが多く、伸びが良く軽い使い心地です。

特に、栄養と潤いを与えることを目的としながらも、厚塗りやシミになる心配が少なく手入れが難しい革に対しても使われます。こちらのクリームは無色ですので革の色に合わせる必要はありません。

デリケートクリームでおすすめしたいのは、M.MOWBRAY(M.モゥブレィ)のデリケートクリーム2026です。伸びが良くて使いやすく、かつ高い保湿力を持っているため、靴の栄養補給や保湿に高い効果を期待できます。また、スエードなどの起毛革や爬虫類革などの特殊なものをのぞき、さまざまな革製品に使える汎用性の高さもおすすめポイントです。

3.油性クリーム

これまで紹介したものとは異なり、「油分・蝋」が主成分となっているのが「油性クリーム」です。よりツヤのある光沢を得ることを目的に使います。乳化性クリームと比較すると、使い心地としては、少し伸ばしにくい印象があります。

こちらは油分を多く含むため、使用頻度が高すぎると、色あせやシミなどの原因になります。ツヤが気になるときに使用する程度にしておくのがよいでしょう。

油性クリームの中でおすすめしたいのは、SaphirNoir(サフィールノワール)のクレム1925です。油分としてシアバターを使用しているため、非常に伸びがよく、使い心地をよくしながらも深みのある光沢を生みます。

  • クリームを使った靴磨き

    「サフィールノワール」クレム1925

【そのほか】油性ワックス

最後に、正確にはクリームとは別のものではありますが、「油性ワックス」というものもあります。こちらは、主成分が「油分・蝋」である点では油性クリームと似ていますが、水分がほとんど含まれておらず固形であることが特徴です。

クリームに比べると塗りこむ際には伸ばしにくい面があるため、水滴を1滴加えて塗る、などの行程が必要になります。使用後は、鏡面のような強力なツヤのある仕上がりになるため、見た目をとにかく輝かせたいときにはワックスを使うのがおすすめですよ。

  • クリームを使った靴磨き

    ワックスを用いることで、表面を鏡面のように仕上げることもできます

【あわせて読みたい】 :
足元で魅せる! 革靴を光らせるワックスの塗り方は? クリームと何が違う?
雨染み予防にもなる革靴の鏡面磨きに挑戦 - コツや意外なデメリットって?

革の種類には何がある? それに適したクリームとは?

なぜ複数のクリームがあるのか? それは、靴の種類に応じて適切な機能が異なるためです。靴磨き用のクリームを購入する前には、まず手入れをしたい靴がどのようなものであるのか、改めて確認しておきましょう。ここでは、ビジネスシューズに多い3つの種類を紹介します。

アニリン革

「アニリン染料」で染められた革で、革そのものの風合いを楽しめるのが魅力です。そのかわり、色あせ・色ムラなどを起こしやすい面があるのでデリケートクリームを使うのがよいでしょう。

ヌメ革

タンニンでなめした革のことで、非常に丈夫であることが特徴です。クリームを使用せず自然に経年劣化させて楽しむこともできます。光沢を出したいときには、油性クリームを使うことをおすすめします。

スエードレザー

革の裏面を起毛させた革のことです。この靴の手入れをする際には、スエード専用のクリームだけを使用するようにします。

  • クリームを使った靴磨き
  • クリームを使った靴磨き
  • 手入れをしたい靴の種類に応じた適切なアイテムを選択しましょう

【合わせて読みたい】 : 雨の日を楽しむ! 防水対策のビジネスファッション