水商売の専門教育を行う都立高校が舞台の破天荒な学園ドラマ『都立水商!~令和~』(MBS:毎週日曜24:50~25:20、TBS:毎週火曜25:28~25:58ほか)で主演を務める竜星涼。ドラマでは『ハンマーセッション!』、『桜蘭高校ホスト部』、『GTO』、『ごめんね青春!』『こえ恋』などで、数多くの生徒役を演じてきた竜星が、『オトナ高校』のペガサス先生に続き、ユニークな教師役を熱演する。

  • 竜星涼

    『都立水商!~令和~』で主演を務める竜星涼にインタビュー

原作は、猪熊しのぶ作画で漫画化もされた、室積光著の小説『都立水商!』だが、新元号“令和”をタイトルにつけた本ドラマは、現代の世相と水商売のシステムを反映させたオリジナルのキャラクター&ストーリーで展開される。竜星は、社会人1年目で大奮闘する新米教師・石綿直樹役に扮する。

戦隊シリーズ『獣電戦隊キョウリュウジャー』のキョウリュウレッド役で人気を博し、近年は『アンナチュラル』(TBS)、『昭和元禄落語心中』(NHK)、『メゾン・ド・ポリス』(TBS)など、緩急のある役柄で個性を発揮してきた竜星。高身長に甘いマスクという恵まれたルックスを逆手に取り、カメレオン俳優という呼声も高い竜星に、『都立水商!~令和~』の撮影秘話と、新時代・令和の抱負を聞いた。

――まずは、水商売を教える高校の教師役という設定を聞いた時の感想から聞かせてください。

すごく斬新だなと思いました。題材がユニークで、深夜枠だからこそやれる内容なのかもしれないけど、ドラマ自体はゴールデン枠でやっているような、見ごたえのある面白い学園ドラマなので、そこのギャップもいいんじゃないかと思いました。

以前『オトナ高校』で演じた“ペガサス先生”は、生徒が全員僕よりも年上の先輩方だったので、今回やっと普通の先生役をいただけたと思ったのですが、僕の知っている学園モノじゃなかったです。またもや、普通の学校には就職できなかったんだと思いました(笑)。でも、教師役を演じることは目標でもあったので、とてもうれしかったです。

  • 竜星涼

――教師役に対して、特別な思い入れがあったのですか?

僕はずっと生徒役を演じてきて、先生役を演じる先輩の役者さんたちをたくさん見てきたので、そこには憧れがありました。役者という仕事のプロセスにおいて、いくつかある目標の一つでした。自分もそういう先生役をやれる年齢になってきたのかと、感慨深いものがありました。

先輩たちが、いろんな現場で作ってくれた雰囲気などを、今度は後輩である僕たちが引き継いでいかなくては、という思いもあって。共演者には10代の子や20歳になったばかりの子もいて、彼らを楽しませながらやるのが学園ドラマの醍醐味だというイメージを僕自身が持っていたので、自分もそういうことを、少なからずやれるようになれたらいいなと思いました。

――教師役にはどんなふうにアプローチしていったのですか?

ありがたいことに、演じた直樹が、かろうじて先生という職業についた新任の役だったので、何もわからない直樹と同じように、現場に入っていけばいいのかなと思っていました。そこで苦戦する姿はそのままリアルだったし、だんだん成長していく部分も、リンクしながら見せていけたらいいのかなと。僕自身も、芝居としてだけではなく、みんなを見守る感覚がついていったので、自分も少しは成長させてもらったのかなと、撮影が終わったあとに思いました。

――後輩となる若手俳優陣との現場はいかがでしたか?

やっぱりみんなエネルギッシュで、自分が想像できない熱量を持っていて、若さにはかなわない部分がありました。みずみずしくて真っ直ぐで、生意気なところも含めていいなあと思いつつ、きっと自分が生徒役だった頃は、大人たちに予期せぬところで迷惑をかけていたのかなとも思ったりして。みんなを微笑ましく見ていた感じです。

  • 竜星涼

――ホスト科、キャバクラ科、フーゾク科、マネージャー科と、それぞれの学科で、いろいろなトリビアネタが盛り込まれていて興味深いです。

みなさんが知っているようで知らないことを真面目に教えていくドラマという点がすごく新鮮です。どうすれば素晴らしいホストやキャバ嬢になれるのか、そのプロセスがとても面白いです。

マネージャー科の回で、細かい部分の連携が1つの店を支えていることもわかって、なるほど!と感心したりもしました。そういうのは勉強になりますし、これまでの夜のお仕事のイメージが変わりそうですよね。

――確かに、水商売の意外なスキルがたくさん紹介されていく点に興味津々でした。

やっぱりどの仕事もプロはプロで、そういう人たちの熱量や技量は、仕事に関係なくすごいし、その人自身の生き方や選び方がカッコいいですから。ある種、水商売に対する先入観を取っ払ってもらえるんじゃないかなと。そういう意味では、最終的に既成概念をぶち壊すくらいに痛快な人間ドラマ、学園ドラマになればいいかなと思っています。

――とても熱い先生になりそうですね。

僕自身は、軽いタッチで先生役を演じたわけではなく、「3年B組金八先生」じゃないけど、「3年C組直樹先生」みたいな感覚で演じました。やっぱり直樹の良さは生徒との距離が近く、一緒に考えて悩み、汗をかいていくところかなと。直樹のような先生は面倒くさいと思うかもしれないけど、そういう同じ目線でいてくれる大人ってどれだけいるんだろう?と、自分も学生の頃は思っていました。それは今も昔も変わらない理想の先生像だと僕は思うので、そういう友達みたいな先生になれたらと思いながら演じました。

  • 竜星涼

――作品によっていろいろな顔を見せてくれる竜星さん。ドラマのタイトルにも入っている令和ですが、新時代の抱負を聞かせてください。

令和のローマ字表記って“R”ですよね。僕も竜星涼で“R”なので、僕の時代が来るのかなと(笑)。今後も、面白い作品や面白い役をどんどんやっていきたい。役者のイメージは、人が考えるものですが、僕はある意味、それをぶち壊していきたいので、今後も頑張ろうと思っています。

■プロフィール
竜星涼(りゅうせいりょう)
1993年3月24日生まれ、東京都出身。2010年、『素直になれなくて』(CX)で俳優デビュー。『獣電戦隊キョウリュウジャー』(13、14)のキョウリュウレッド役で人気を博す。主なドラマ出演作にTBS『小さな巨人』(17)、NHK連続テレビ小説『ひよっこ』(17)、TBS『アンナチュラル』(18)、『昭和元禄落語心中』(18)、『メゾン・ド・ポリス』(19)など。映画は『泣くな赤鬼』が6月14日に公開予定
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