東京2020組織委員会は4月18日、公式チケット販売サイトをプレオープンした。同日には開設発表イベントが行われ、東京2020組織委員会によって観戦チケットの購入手順や販売スケジュールの詳細が語られたほか、アテネ、北京五輪の男子競泳で金メダルを獲得した北島康介さんも登壇。東京2020五輪に向けてエールを送った。本稿では、チケット購入手順の詳細を確認していく。

  • 北島康介さんの「それでは発表させていただきます。ジャン! 5月9日です」という声とともに発表された抽選申し込み開始日

観戦チケットの抽選申し込みは5月9~28日

2020年7月24日から8月9日にかけて開催される「東京オリンピック競技大会」、8月25日から9月6日に行われる「東京パラリンピック競技大会」。観戦チケットはインターネットで販売されることが告知されていたが、その東京2020公式チケット販売サイトが4月18日にプレオープンした。

購入には、2018年7月20日から事前登録が開始されている「TOKYO 2020 ID」が必要となり、応募者の中から抽選で当選者が決定する。実際の抽選申し込みが開始されるのは5月9日(木)午前10時からとなり、5月28日(火)午後11時59分まで受け付ける。現段階で公式チケット販売サイト上にて確認できるのは、競技スケジュールやチケット価格、開場情報など。なお、申し込み順は抽選に影響せず、期間内であればどのタイミングで応募しても公平に抽選が行われるとのこと。

東京2020組織委員会の古宮正章副事務総長は、「『TOKYO 2020 ID』は、4月17日時点で計226万IDのご登録を頂いております」とID登録の勢いが増していることを説明。「来年の東京2020大会の時にはぜひ競技場に足を運んでいただき、アスリートの息吹をじかに感じていただきたい。そして応援をお願いしたいという思いです」と述べた。

  • 東京2020組織委員会の古宮正章副事務総長

東京2020公式チケット販売サイトのプレオープン正式発表のため登壇した元競泳選手の北島康介さんは、「チケット販売サイトのオープンが待ち遠しかったという方がたくさんいると思います。観に行けるなら僕も観に行きたいですね」と挨拶。なお北島康介さんは、ラジオCMや東京2020公式サイトから閲覧できるWebムービーにも出演している。

  • アスリートと著名人がバトンと一緒に東京2020へのメッセージを繋ぐ「みんなでつなぐ TOKYO 2020」の1人目でもある北島康介さん

チケット申し込みの事前準備をしておこう

当日の記者会見で発表された内容のうち、インターネットからの東京2020観戦チケットの購入方法を以下にまとめていこう。

まず、東京2020観戦チケットの購入を行うには、「TOKYO 2020 ID」への登録が必要。登録時にはメールアドレスとパスワード、氏名(ローマ字/漢字/カナ)、性別、生年月日、住所、電話番号などの情報が求められる。

「東京2020公式チケット販売サイト」にアクセスし、登録したIDとパスワードでログインすると、チケット購入ガイドのほか、競技情報の閲覧やチケット購入などが可能となる。ただし、4月18日の時点で、「チケット購入」ページや自分のチケットを確認できる「マイチケット」ページはまだ準備中だ。

  • チケット申し込みから購入手続きまでの流れ (東京2020公式チケット販売サイトより)

チケットの種類や申し込み上限は?

5月9日から開催される抽選においては、競技セッション(チケットを販売する単位)やチケットの種類、座席、枚数を選択して申し込むことになる。競技セッションは、日程(7月22日~8月9日)、競技・種目(33競技/339種目)、エリア・会場(42会場)から検索が可能。ただし、4月18日時点でボクシングは受付を行っていない。

チケットは3種類が用意される。「一般チケット」は大人・子供・幼児(席有り)とも一律同額。「車いすユーザーチケットと同伴者チケット」は、車いすユーザー1枚につき1枚の同伴者チケットを申し込める。

「東京2020みんなで応援チケット」は、12歳以下の子供や60歳以上の方、障がいのある方1名以上を含む家族やグループが申し込み可能。また、競技開催日時点で2歳未満の幼児(席無し)なら、チケット保有者1人につき1名まで無料。この場合、子供を抱えて観戦する形になるだろう。

また、チケット当選機会を広げるため、2つのサービスが用意されている。1つは、希望した座席の種類(A席~E席)が落選となっても、1つ下の座種が販売定数に達していなければ抽選対象にできる「カスケードサービス」。もう1つは、抽選申し込み時に第2希望として別セッションを申し込みできる「第2希望選択サービス」だ。この2つは同時に利用することも可能。

なお、競技セッションごとの申し込み上限枚数は、チケットの種類や開閉会式、決勝等のメダルセッション、予選等のセッションごとに異なり、2~8枚まで。申し込み全体での上限枚数は第1希望30枚、第2希望30枚の計60枚で、最大当選枚数は30枚となる。

  • セッションごとの上限枚数と、申し込み全体の上限枚数 (東京2020公式チケット販売サイトより)

チケットの購入手続きと支払い方法は?

続いて、抽選申し込みの期間と手続き、支払い方法について確認しておこう。

前述したとおり、抽選申し込みの受付期間は5月9日(木)午前10時から、5月28日(火)午後11時59分まで。この期間内であればいつでも追加・変更・キャンセルが可能だ。ただし追加・変更する場合は一度すべてキャンセルし、再度申し込みを行う必要がある。5月29日以降は、申込内容に追加・変更・キャンセルは不可となり、抽選結果は6月20日(木)に発表予定。

  • 抽選申し込み中の追加・変更・キャンセル受付期間 (東京2020公式チケット販売サイトより)

チケット代金は、複数のセッションに当選した場合でも全額を一括で支払う必要がある。支払い方法はVisaカードによるクレジットカード決済か、コンビニでの現金決済のいずれか。合計金額が30万円を超える場合の支払いはクレジットカード決済のみとなるほか、コンビニ決済時は支払手数料として432円(税込)が必要。

また、チケット購入時には、来場・観戦を予定している人の氏名と連絡先の登録が求められる。来場予定者が変更になった場合は、「マイチケット」ページから変更が必要。来場時に身分証による本人確認や購入者の連絡先への確認が行われる場合があるので、正しい情報を入力しているかしっかり確認してほしい。

チケットの受け取り方法は、スマホやタブレット端末などで表示できるモバイルチケット、プリントアウトして利用する「Print@Home」、配送で受け取る「紙チケット」の3種類。紙チケットは発行手数料として1枚当たり324円(税込)、配送料として1件当たり864円(税込)の手数料がかかる。なお、チケット券面上には、購入者の氏名が記載される。

  • チケットの受け取り方法は3種類 (東京2020公式チケット販売サイトより)

申し込み順は抽選に影響なし

申し込み開始直後や締め切り直前は東京2020公式チケット販売サイトの混雑も予想されるだろう。だが、抽選は申し込み順と関係なく公平に行われるので、家族や知り合いと相談のうえ、余裕をもって応募してほしい。

なお、抽選販売が終了した後、2019年秋以降には先着順販売が行われる見込み。また2020年春以降には直前期販売も行われ、都内には公式チケット販売所も設置される予定だ。さらに、「チケットを買ったが来場できなくなった」という方のために、2020年春以降に定価でチケットを転売できる「公式リセールサービス」も用意されるという。

  • 4月18日のプレオープンからのチケット販売予定 (東京2020公式チケット販売サイトより)

東京2020公式チケット販売サイトでは、チケットの買い方をわかりやすく伝える「観戦チケット申込かんたん説明ムービー」も設置。開催まで500日を切り、いよいよ近づいてきた東京2020大会。確実に、楽しく観戦するために、チケットの購入手続きはしっかりとおさえておきたい。

  • チケットの申し込みから購入までについての詳細な予定を話した東京2020組織委員会の3名