大型連休を直後に控えた4月22日週は、3局のタイトル戦が指される豪華な週となっています。

5棋士が登場! 見逃し厳禁の1週間

上段左から西山女王、里見四冠、渡部女流王位、下段左から豊島二冠、佐藤名人

まず、22日、23日の両日は、佐藤天彦名人に豊島将之二冠が挑戦する第77期名人戦七番勝負第2局が山口県萩市「松陰神社 立志殿」で行われます。

第1局は佐藤名人の先手で、現在プロ間でもっとも指されている「角換わり」へと進みましたが、何と1日目の15時過ぎに千日手が成立。規定により即日の指し直しは行われずに2日目から新たに対局が行われ、横歩取りから先手の豊島二冠が鋭い攻めを決め勝利を収めています。番勝負の先手、後手は第1局を振り駒で決め、第2局以降は交互に持ち合う決まりですが、千日手は勘定に入れませんので、第2局の先手は豊島二冠となります。

22日はもう1局、西山朋佳女王に里見香奈女流四冠が挑戦する第12期マイナビ女子オープン五番勝負第2局が東京都港区「明治記念館」で行われます。

第1局は互いに飛車を振る「相振飛車」に進み、里見女流四冠が優位に立ちましたが、終盤で西山女王が勝負手を連発、持ち前の豪腕を振るい逆転に成功しました。その鋭さが「稲妻」とも称される得意な終盤戦で競り負けた里見女流四冠が立て直すか、それとも西山女王の豪腕再びか。トップ対決からひと時たりとも目が離せません。

25日には、渡部愛女流王位に里見女流四冠が挑戦する第30期女流王位戦の開幕第1局が兵庫県姫路市「夢乃井」で行われます。

前期第29期は互いに逆の立場での五番勝負。タイトル戦初登場の渡部女流二段が第一人者・里見女流王位(いずれも当時)を3-1で下し初タイトルを獲得、一躍女流トップの仲間入りを果たしたシリーズでした。第1局が地元北海道(札幌)で行われ、そこで勝利を収めたのが流れに乗るきっかけだったかも知れません。今期、北海道対局は5月8日の第2局、渡部女流王位の出身地・帯広で行われる予定です。

見どころ満載の3局、観る将棋ファンにはうれしい1週間となりそうです。そして、連休もあとわずかとなる5月4日には、高見泰地叡王に永瀬拓矢七段が挑戦する第4期叡王戦七番勝負第3局が長崎市「史跡料亭 花月」で行われます。お休みボケでうっかり見忘れ、なんていうことがありませんように。