間もなく新年度を迎えます。新生活に向けて慌ただしい日々を送っていらっしゃるかと思います。新生活は何かとお金がかかります。

賃貸物件に住むのであれば、敷金礼金前家賃に引っ越し費用に加えて、家具家電に生活用品、衣類やスーツや靴などいくらお金があっても足りません。また、就職したとしても給与が振り込まれるまでには時間もあり、当面の生活費も必要となります。

こうしたお金が用意できずに、リボ払いや分割払いを選択して、奨学金の支払いと共に毎月の生活もままならないという人もいます。こうなってしまうと、生活を立て直して貯蓄までに時間がかかってしまいます。一度に揃えないとダメだと考えると出費はかさむばかりです。まずは最低限必要なものから揃えていきましょう。

家具

家具は最低限布団とテーブルがあれば生活は可能です。情報源はスマホ、テレビよりも動画サイトで済むのであれば、テレビもテレビ台も不要です。番組によっては、見逃し配信サービスを無料でやっている場合があるので、見たいテレビはこうしたサービスを利用してもいいでしょう。

カーテンは、遮光性能が高いものを選ぶと良いでしょう。上から床までしっかりとカーテンがかかるように、必ずカーテンレールから床までと幅をしっかりと計ってから購入しましょう。オーダーカーテンは時間がかかるので、早めに注文をしましょう。

家電

家電は単身向けの賃貸物件の場合、あらかじめ冷蔵庫やエアコン、照明が備え付けられていることもあります。新たに購入する場合は、冷蔵庫、照明はマストアイテムですが、炊飯器は鍋でもごはんは炊けますし、近所にコインランドリーがあり、週末にまとめて洗うスタイルであれば慌てて洗濯機を買う必要はないでしょう。

電子レンジもあれば便利ですが、基本自炊はせずコンビニのお弁当を温めてもらったものを帰宅して食べる程度であれば、電子レンジも不要です。

もちろんどれもあることに越したことはありませんが、あえて優先順位をつけるのであれば、照明、冷蔵庫、洗濯機、電子レンジ、炊飯器の順になるでしょう。

調理器具・食器

揃えたらきりがない調理器具や食器類ですが、自炊をするのであれば、小鍋とフライパン(20cm以上で深型)があれば十分です。パスタや野菜は電子レンジでもフライパンでもゆでることができますので、大きな鍋の出番はあまりないでしょう。やかんも、少量のお湯なら小鍋で沸かす程度なら不要。お茶を作るなら底が広いやかんがあると便利です。

細かい調理器具は、まな板(キッチンのサイズに合ったもの)と包丁(文化包丁1本)、ボウル・ざる、(20cm、15cmくらいのものが各1個ずつ)ボウルはドンブリなど食器で代用できるので、優先順位は低めです。皮むき器(包丁でむける)やおたま、フライ返しはちゃんとしたものを買うと、長く使えます。計量カップ、計量スプーン、おろし器、菜箸は100円ショップで購入してもあまり変わりません。

食器は、誰かが来ることを想定すると数が必要となるので、自分一人が不自由しない数の食器を揃えるだけでOK。ごはん茶碗、汁椀、お皿はカレー皿とドンブリ、トースト1枚置けるくらいのお皿があれば十分でしょう。あとはカップ、お箸、スプーン、フォークを最低数用意すればいいでしょう。実家に贈答品の食器や鍋があれば、もらえばコストもかかりません。

掃除・洗濯用具

掃除用具も場所によって必要となります。キッチンは、食器用洗剤とスポンジ、トイレはトイレ用の洗剤とブラシ、お風呂はお風呂用洗剤とスポンジを最低数用意しましょう。大手スーパーなどが販売しているPB(プライベート商品)を利用すると安く抑えられます。

ゴミ箱はキッチン用は臭いがもれにくいふた付きのものをおすすめします。あとは1つ部屋用にあるといいでしょう。ゴミ袋は自治体のルールに沿ったものを買いましょう。

雑巾などは、古着や古タオルを使って掃除用具を増やさないようにしましょう。 洗濯用品は、洗濯洗剤、柔軟剤のほかに洗濯ネット、洗濯カゴがあると便利です。乾燥を洗濯機でするのか浴室乾燥にするのか外に干すかによっても必要なものは変わりますが、必要に応じて物干し竿、ピンチ、ハンガーを用意します。まとめて干せる角ハンガーは、プラスチック製のものは外で干すと劣化して壊れやすくなるので、少し高くてもステンレス製のものを選ぶと長持ちします。

日用品

ティッシュボックス、トイレットペーパー、シャンプー、コンディショナー、石鹸、歯ブラシ、歯磨き粉、ラップ、シップ式の保存袋、キッチンペーパー、保存容器など必要なものはたくさんありますが、どれも基本的には在庫は不要で、切れそうになったら買うくらいで大丈夫でしょう。

今ではコンビニでも日用品のPB商品が売られていますので、ドラッグストアに行く時間が無い場合でも、こちらを利用すると良いでしょう。また、ラップや保存袋、保存容器もサイズを揃えると置き場所に困るので、Mサイズで統一するのも手です。

必要かも知れない…と先回りをして買い揃えたとしても、買わなくても良かったと思うものも出てくるでしょう。生活をしてみて、必要だと思ったら買い足すくらいで十分です。また、無いならないなりにあるもので何とかする。

限られた予算の中で優先順位をつけて買い物をするといった習慣を身につけることは、後々の生活にも役に立つことですので、ゲーム感覚で楽しみながら揃えていきましょう。

丸山晴美(まるやま はるみ)

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外国語の専門学校を卒業後、旅行会社、フリーター、会社員、コンビニ店長へと転職。22歳で節約に目覚め、年収が350万円に満たないころ、1年で200万円を貯める。26歳でマンションを購入。2001年に節約アドバイザ―として独立。ファイナンシャルプランナー、消費生活アドバイザーの資格を取得し、お金の管理、運用のアドバイスなどを手掛け、TV、雑誌などで幅広く活躍している