叡山電鉄は21日、鞍馬線開通90周年事業の一環で運行開始する「青もみじきらら」の出発式を出町柳駅で開催した。リニューアル工事を終えた722号車(700系デオ720形)も同日から運行開始し、「青もみじきらら」の出発式で2編成が並ぶ場面もあった。

  • 出町柳駅の2番線ホームに「青もみじきらら」、1番線ホームにリニューアルされた722号車が並ぶ(写真:マイナビニュース)

    出町柳駅の2番線ホームに「青もみじきらら」、1番線ホームにリニューアルされた722号車が並ぶ

「青もみじきらら」は叡山電鉄の900系展望列車「きらら」2編成のうち、通常はメープルレッドの塗装で運行される901・902号車の編成を塗装変更。近年、人気が高まっているという新緑のさわやかなもみじをイメージしたメープルグリーンの塗装を施した。3月21日の出町柳駅9時45分発、鞍馬行の列車から運行開始し、2020年12月上旬までの期間限定で運行を予定している。

出発式は出町柳駅にて、「青もみじきらら」の入線後に行われ、叡山電鉄代表取締役社長の塩山等氏らが出席したほか、鞍馬線沿線の小学生たちも参加した。塩山社長は挨拶の中で、「もみじのトンネルに代表される鞍馬線の豊かな自然について、従来の紅葉シーズンに加え、これからの新緑シーズンに向けても魅力を広くPRしたいということで、当社の看板列車『きらら』をグリーンに塗装変更しました」と説明した。

塩山社長はリニューアルされた722号車にも触れ、「本日は比叡山の山開きの日でもあります。昨年デビューした『ひえい』に続き、改修を行ってきた722号車も本日から運行開始します。『青もみじきらら』と同様、皆様にご愛顧いただければと思います」と述べた。出発式ではその後、小学生から「青もみじきらら」の運転士へ花束贈呈、出席者によるテープカットも行われた。

  • 「青もみじきらら」の入線後に出発式が行われ、駅長による出発合図で出町柳駅を発車。鞍馬駅までの区間を往復した

出発式が行われる中、9時39分、リニューアルされた722号車が1番線ホームへ入線。2番線ホームで発車を待つ「青もみじきらら」と並んだ。

722号車は今回のリニューアルにより、沿線の神社仏閣をイメージした朱色の外装デザインに。車体前面の鋼板を厚くし、台枠下部覆い(スカート)を新設するなど安全性の向上を図った。インテリアも更新され、車内の座席にバケットシートを採用し、スタンションポールも増設。優先座席を黄色として一般座席との明確化を図ったほか、車いす・ベビーカースペースを1カ所設けた。車内灯や前照灯、車外の行先表示器はLED化され、行先表示器は日本語・英語・中国語(簡体字)・韓国語の4カ国語表示となっている。

9時45分、駅長による出発合図で「青もみじきらら」が発車し、鞍馬駅へ。続いて9時52分、722号車が出町柳駅を発車し、八瀬比叡山口駅へ向かった。この日は両編成とも日中時間帯に運行されるという。なお、722号車に関して、翌日以降の平日はおもに鞍馬線を中心に運行する予定とされている。

  • メープルグリーンの塗装を施した900系展望列車「青もみじきらら」の外観・車内

  • 朱色を基調とした外装デザインとなり、インテリアも更新された722号車。9時52分に出町柳駅を発車し、八瀬比叡山口駅までの区間を往復した