叡山電鉄は28日、722号車(700系デオ720形)のリニューアル工事が完了し、3月21日から運行開始すると発表した。外装デザインに沿線の神社仏閣をイメージした朱色を採用。インテリアも更新され、バリアフリーに配慮し、安全性・省エネルギー性向上も図った。

  • リニューアルされた722号車の外装デザインイメージ

同社の700系は冷房装置を搭載したワンマン運転用の車両として設計され、おもに1両で運行される。細かな仕様の違いにより、デオ710形(2両)・デオ720形(4両)・デオ730形(2両)の3種類に分かれるという。当初はクリームとマルーンの塗装だったが、2005年以降のデザイン変更により、車両ごとに4種類の帯色(黄緑・緑・青・赤)を施したデザインに。732号車(デオ730形)は昨年3月から観光列車「ひえい」として運行開始している。

運用開始から30年以上経過したことを受け、700系のリニューアルが行われることになり、3月21日から運行開始する722号車は外装・内装ともにデザインを変更。車内の座席にバケットシートを採用し、利用者の着席スペースを明確にしている。スタンションポールをロングシート中央部などに増設したほか、優先座席を黄色とし、車いす・ベビーカースペースをドア付近(八瀬比叡山口側)に1カ所設置。照明をLED化したほか、冷房効果を高めるために窓ガラスに熱線吸収ガラスを採用している。

訪日外国人への対応として、車外の行先表示器は日本語・英語・中国語(簡体字)・韓国語の4カ国語表示に。車体前面の鋼板を厚くし、台枠下部覆い(スカート)を新設するなど安全性向上も図った。叡山電鉄では今後も700系のリニューアル工事を進め、「お客さまが安全で快適にご利用いただける努めてまいります」とのこと。

  • 沿線の神社仏閣をイメージした朱色を外装デザインに採用

  • リニューアルされた722号車の内装デザインイメージ

リニューアル工事が完了した722号車は、3月21日の出町柳駅9時52分発、八瀬比叡山口行の列車から運行開始。翌日以降、平日はおもに鞍馬線を中心に運行される予定となっている。