昨年9月に亡くなった女優・樹木希林さんが1日、東京・品川のグランドプリンスホテル新高輪で開催された第42回日本アカデミー賞の授賞式で最優秀助演女優賞を受賞(『万引き家族』)。樹木さんの娘で、女優でエッセイストの内田也哉子がブロンズを受け取った。

  • 内田也哉子

    授賞式に登壇した内田也哉子 撮影:宮川朋久

也哉子は、「生前母がよく口にしていた『時が来たら誇りを持って脇にどけ』。文字通り今日をもってできると思います」と実感。「最初の乳がんが見つかってから再発を繰り返しながらも彼女は13年という日々を愛おしく、まるで病気に感謝しているようにも見えました」と在りし日の姿を偲んだ。

また、也哉子にとって「ちょっと不思議」だったのは、「がんが分かって真っ先にしたことは、父に会いに行き、それまでのすべてのことを謝りに行くということ」。それは、樹木さんの「残された時間がわずかだと知った時に、自分と関わった人たちに謝ってから生きたい」という思いから。也哉子にとっては「実に自分勝手な謝罪」とも感じたが、「実に母らしい」と懐かしむ。

そして、「最後に58年の役者人生において、映画作りという真剣勝負の現場で彼女の言動が時に人を傷つけたりもしたと思います。この場をお借りして、すべての映画関係者に彼女に代わって深くお詫び申し上げます」とその思いを代弁。「そして、それらの一つ一つの稀なる出会いに心より感謝申し上げます。本当に長い間、お世話になりました。ありがとうございます」と最後は感謝の言葉で締めくくっていた。

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