映画『マスカレード・ホテル』(1月18日公開)のホテルマン試写会が9日、都内のホテルで行われ、試写会後の舞台あいさつに主演の木村拓哉、出演の長澤まさみが登壇した。

映画『マスカレード・ホテル』のホテルマン試写会に登壇した木村拓哉(左)と長澤まさみ

累計310万部突破の東野圭吾作品屈指の人気を誇る『マスカレード』シリーズ。その第1作となる『マスカレード・ホテル』を、『本能寺ホテル』(2017年公開)の鈴木雅之監督が木村拓哉主演で実写映画化した。初となる刑事役を務める木村が、一流のホテルマンを演じる長澤まさみとホテルで巻き起こる難事件を解決していく。

そんな同作で、ホテルマンに扮する刑事役を演じた木村と、その教育係のフロントクラークを演じた長澤は、映画を鑑賞したフロントクラークやベルボーイ、コックなど様々な部署の現役ホテルマン約100名を目の前にした感想を聞かれると、木村は「1番ハードルが高いお客さんだと思いますし、今こうやって登壇させていただいた後でも、サービス業の方が醸し出す雰囲気と、厨房で食材を通じてお客様にサービスをされる方の表情の違いがあって、自分のモチベーションが常におありなんだなとわかりますね」と語り、長澤は「きっと"ここは違うな"と思うところがあったかもしれませんが、できる限りのことはやれたかなと思っています。楽しんでいただけていたらと願うばかりです」と笑顔を見せた。

イベントでは、現役ホテルマン約100名が、木村と長澤に質問を投げかけるという企画が行われ、ベルボーイの男性から「もしホテルに転職するならどんな部署に就きたいですか?」と尋ねられると、木村は「厨房に立ちたいです」と答え、コック陣から拍手を浴びると「厨房で自分が仕上げる世界観を直接ではないですけどお客様に届ける。それって自分らの作業と似たことなんですけど、ドラマや映画を撮影しても、実際にお客様と接するわけではなくて、物を作ってお客様に吟味してもらうというのが僕らの日頃の仕事なので、その延長で考えたら厨房かなと思いました」と説明し、長澤は「厨房もいいなあと思っていたんですけど、ベルボーイはちょっと寒そうだから、客室係がいいですね(笑)」と答えて会場を沸かせた。

さらに、フロント課の女性から「プロの俳優として譲れないこだわり」を質問されると、木村は「その立場で、世の中で働かれている方たちに対して、まずは失礼のないようにというのが、自分が1番最初に置くハードルですかね。そこを大事にして、そこを越すことができた後に初めて楽しんでもらう」と熱く語り、長澤は「こだわりがないことがこだわりです(笑)。撮影環境がいつも変わるので、"自分がこうでなければ何かをできない"という決め事を作ってしまうと、自分のベストを尽くせなくなってしまうので、周りに惑わされない自分の集中力を大切にして、何かにこだわることはやめました」と明かすと、フロント課の女性から「素晴らしい…」と感嘆の声がもれた。