子どもたちが1年で一番大金を手にすることになるであろうお正月。お年玉の使い道や管理方法に悩むママ・パパは多いのではないでしょうか。お年玉は子どもにとって、お金との付き合い方を学ぶ絶好の機会です。今回はマネー教育も兼ねたお年玉の管理方法と口座の選び方についてお伝えします。

  • お年玉の渡し方

    お年玉はどのように渡すのがいい?(画像はイメージ)

お年玉は"自由にお金を使う経験"ができるチャンス

お正月は好きなものを自分で選んで買うわくわく感が体感できるいい機会。もらったお年玉の一部で構いませんので、まずはぜひ、自由に使わせてあげましょう。

そして、親が子どもの選んだものに口出しするのは厳禁! 失敗したとしても、それが貴重な経験になります。

「貯める」「備える」2つの口座を

また、お金を貯める経験も大切にしたいですよね。子ども名義の口座は、2つ作っておくのがオススメです。

1つは、子どもがいつでも自由に使える口座にしましょう。お年玉やお祝いなどでいただいたお金の10~20%など、少しずつでいいので貯めていきます。この口座のお金の使い道も、子どもに自分で決めてもらいます。

たとえうまく貯められなかったとしても「すぐに使ってしまうと本当に欲しいものができた時に買えない」という学びを得ることができます。そしてお金を貯めて欲しいものを手に入れる経験は、子ども自身がお金の使い方を考える良いきっかけになるはずです。

もう1つは、子どもが大きくなるまで、親が管理しておく口座にします。親としては大学の進学費用を貯めるだけでも大変ですが、実際にはそれにプラスしていろいろなお金が必要になります。

子どもが留学や資格取得などにチャレンジしたいと言い出すこともあるかもしれません。そんな時に渡せるお金として貯めておけるといいですね。お子さんにも「将来やりたいことができた時のために貯めておこうね」ときちんと説明して、お年玉を預かるようにしましょう。

どこに口座を開設する?

子ども名義の口座を開設する時、特に子どもと一緒にお金を貯めていく口座は次の3つのポイントを意識して選ぶといいでしょう。

・通帳を作ることができる
・子連れで行きやすい場所に支店やATMがある
・全国どこでも利用しやすい

インターネットバンキングが普及し、通帳の必要性を感じなくなっている人も増えているかもしれません。ただ、子どもにとって「手に取れる」「目に見える」ことは大切です。自分の預けたお金が分かりやすく確認できる通帳は作っておきたいですね。

また、子どもが小さいうちは一緒に銀行に行くのも一苦労です。ストレスなく立ち寄れる場所に支店やATMがあることで、預けたいお金がある時に先送りしてしまうことを避けられます。

小さい子どももいずれ大人になり、家を出て行くことになるでしょう。今は全く馴染みのない土地で働くことになるかもしれません。長期的に持つことになる口座なので、全国どこにいても利用しやすいという点も大事にしたいですね。

現在・将来の子どもにとって価値ある使い方を

お年玉をいただいたら、本人がきちんとお礼を伝える、いただいた目の前で金額を確認しない、金額の多寡で人を判断しないなど、お年玉を通して子どもに伝えられることは他にもたくさんあります。

子どもを想う人たちの気持ちがこもった大切なお金。だからこそ、今の子どもにとっても、将来の子どもにとっても価値ある使い方をしたいものですね。

著者プロフィール

ラーゴムデザイン代表 長谷部敦子
ファイナンシャルプランナー、マスターライフオーガナイザー、メンタルオーガナイザー。父親の看取り介護、自身の結婚を通して、「心」と「お金」の整え方を知ることの必要性を感じ、学びを深める。2012年・2014年の出産を経て、2015年に「しなやかな生き方をデザインする」をコンセプトに起業。家計・起業・扶養などに関わるお金の悩みや、働きたい女性のメンタルについての相談・講師業を中心に活動。働く母の目線で、日々のくらしを快適にする仕組みづくりについての執筆も行っている。「生き方デザイン.com