――映画『平成仮面ライダー20作記念 仮面ライダー平成ジェネレーションズ FOREVER』では、テレビシリーズ以来ひさびさに仮面ライダーローグとして幻徳が帰ってくることになりますね。最初に映画の台本を読まれたとき、どんな思いを抱きましたか?

テレビの最終回が終わってかなり日数が過ぎてから、「冬の映画に幻徳も出ます」と聞いたんです。でも、なかなか台本が上がってこなくて、撮影に入る前日か、当日くらいに読んだんですよ。ご存じのとおり『ビルド』は今までずっと武藤(将吾)さんの脚本で作ってきたのですが、今回の映画は初めて別の方(下山健人氏)ですし、そういう意味ではあまり『ビルド』の色を出していこうというつもりはなかったですね。

肩の力を抜いて、幻徳がふたたび出てきてファンのみなさんに喜んでもらえたらいいな、と思いながら演じようと思いました。映画には一海役の(武田)航平くんも出ますけれど、一海がいることによって僕も幻徳でいられるという部分が大きいです。今回の映画は『ビルド』および仮面ライダーシリーズを支えてくださったファンのみなさんへの感謝の気持ちがこもった映画になっていると思います。

――『ビルド』で初めて特撮ヒーロー作品に出演された水上さんの目から見た、仮面ライダーシリーズの魅力とはどんなものでしょうか。

出演してみて強く実感したのは、これだけ大勢のファンの方々に愛されている作品というのは、日本のテレビドラマでもそうそうないんじゃないか、ということです。イベントに足を運んでくださる方もそうですし、ものすごくたくさんの手紙もいただきました。僕のことをまったく知らなかった人が、『ビルド』を観てファンになってくださり、モデルとしての仕事もチェックしてくれる、なんてこともありました。一番うれしかったのは、ドラマとかをそもそも観たことのないお母さんが、子どもさんと一緒に『ビルド』を楽しんでくださり、(作品の出演者へ)初めて手紙を書いて送ってくださったこと。僕も小さな子どもがいる父親なものですから、そういう話を聞くと心から「出演して良かったな」と思いましたね。

――水上さんが『仮面ライダービルド』から得たものはとても大きかった、ということなんですね。

僕が子どもだった時代は、ちょうど「仮面ライダー」の新作がテレビで放送されていなかったので、リアルタイムで仮面ライダーを体験していないんです。そんな中で『ビルド』に出演してみたら、熱狂的なファンの方々がいて、とても驚きました。他のドラマや映画ではありえないくらいの応援を受けて、これは自分にとって圧倒的なメリットになりましたね。ファンのみなさんと交流ができた、というのは、「仮面ライダー」シリーズに出演させていただいたことの一番の財産になったと思っています。

特撮ヒーロー作品は、なんか特殊な撮り方をされているのかな、と最初のころは勝手にイメージしていたのですが、お芝居の撮り方というのは普通のドラマと何も変わらず、監督をはじめとするスタッフのみなさんが毎回真剣に考え込みながら、アイデアを絞って作っていました。そういう現場で1年間やることができて、本当に良い経験になったと思っています。

映画『平成仮面ライダー20作記念 仮面ライダー平成ジェネレーションズFOREVER』は現在公開中。なお、マイナビニュースでは平成仮面ライダー20作を記念した『仮面ライダー平成ジェネレーションズFOREVER』大特集を展開している。

(C)「ジオウ&ビルド」製作委員会 (C)石森プロ・テレビ朝日・ADK・東映