――今回、モニターの裏側から映像を投影するというドッキリが最新技術を投入していると伺ったのですが、他にもそうした新しいテクノロジーを取り入れたドッキリはあるんですか?

中川将史
1980年生まれ、東京都出身。慶應義塾大学卒業後、02年にフジテレビジョン入社。『笑っていいとも!』のほか、04年から18年の番組終了まで『とんねるずのみなさんのおかげでした』を担当。現在は『さんまのお笑い向上委員会』演出、『芸能人が本気で考えた!ドッキリGP』演出。

中川:パッと思いつくので言うと、デヴィ夫人の頭が燃えるドッキリですね。

蜜谷:あれ、どういう仕掛けになってるの?

中川:教えない(笑)

――プロデューサーにも教えないんですね(笑)

蜜谷:僕、最初にスタッフに向けて、まずみんなが知らない最新テクノロジーをリサーチして集めてみようと言ったんですけど、実際にどう応用されているのか、あまり知らないんですよ(笑)。デヴィ夫人のやつも、最初にフッと煙が立って、その後燃え上がるようになってるんですけど、どうやってるのか分からないんですよね。

中川:これはもう、『みなさん』からの盟友の特殊効果さん、元野猿の飯塚生臣(ジェリー)さんですけど、その人と一緒に3週間くらいかけて作り上げたシステムです。実際に仕掛ける前に、100回以上着火実験やってますよ(笑)

――「こういうのがやりたい!」というのがあって、それを実現するためにシステムを作り上げたんですね!

中川:そうです。あれは、夢を作り上げたんです(笑)。夫人が熱くないような素材を探したり、燃えだすタイミングもこっちで決められるように無線を飛ばしたり、何秒以上燃え続けないといけないとか、前から見てバレないようにするとか、いろんな条件をクリアしてできたドッキリですね。

――やってること、『ガリレオ』の犯人と同じじゃないですか(笑)

中川:新開発の化学兵器とかもチェックするようになりましたね。東京ビッグサイトでやってる新技術の展示会にも行きましたから(笑)

蜜谷:中川はドッキリが本当に好きなんですよ。入社同期で17年目なんですけど、こんなにドッキリが好きだったって、今まで知りませんでした(笑)

――それがレギュラーでできるなんて、念願かなったという感じですか?

中川:最初は思ってました。でも今は大変すぎて(笑)。楽しいですけどね。

蜜谷:まず会議が楽しいですよね。人をどうやって驚かすのかを考えるのって、すごく楽しいんですよ。あの情報をどこで入れようかとか、トークの展開をどうしようとかいうのを考えなくていいんで(笑)

『めちゃイケ』総監督も気にかけて…

――フジテレビさんのゴールデン・プライム帯で、純粋な「お笑い番組」というのは、この『ドッキリGP』だけですよね。

蜜谷浩弥
1978年生まれ、石川県出身。慶應義塾大学卒業後、02年にフジテレビジョン入社。『笑う犬シリーズ』『桑田佳祐の音楽寅さん~MUSIC TIGER~』『爆笑!大日本アカン警察』『HEY!HEY!HEY!』などを担当し、現在は『ダウンタウンなう』プロデューサー、『ジャンクSPORTS』チーフプロデューサー、『芸能人が本気で考えた!ドッキリGP』企画・チーフプロデューサー。

蜜谷:ADの子たちを見てると、みんなすごく目がキラキラして、楽しそうにやってるんですよ。テレビ局に入って、こういうものを作りたいと思ってる人が多かったんだなって、あらためて思いましたね。

中川:普通ADって、僕らから「あれどうなってる?」ってお尻を叩くことが多いんですけど、この番組に関してはどんどん自分たちでテストしてきたり、前のめりになってるんです。だから、スタッフの空気がめちゃくちゃいいですね。僕自身も、お笑い以外の番組をやったことがないんで、『みなさん』が終わって、情報っぽい番組や真面目なことをやらなきゃいけないのかなと思ってたんですけど、蜜谷から今回声をかけてもらって、本当にうれしいし、ありがたいなと思いました。

――制作側が楽しんで作ってる感じが、画面からも伝わってくるといいですよね。放送枠は、『オレたちひょうきん族』や『めちゃイケ』が放送されていた、いわゆる“土8”というフジテレビさんの看板枠ですが、そこを担うことについての心境はいかがですか?

蜜谷:この前DA PUMPさんのコンサートに行った時、隣が『めちゃイケ』総監督の片岡飛鳥さんだったんですけど、僕に「ドッキリはISSAにかけるだけじゃなくて、他のメンバーにやったほうがいい。純粋で良い子たちで面白いリアクションするから、あいつらをドッキリスターにしたほうがいいぞ」って、コソっと言ってくれたんですよ。このように、社内でも“土8”でお笑い番組をやるということに対して応援してくれる人が多いのを感じるので、面白い番組にしないといけないというプレッシャーはありますが、チャレンジャーとして頑張るしかないという気持ちですね。

中川:もちろん、伝説の番組を放送してきた枠というプレッシャーはなくはないんですけど、とにかく笑えるだけの番組をフジテレビがゴールデンという場で作ったということが純粋にうれしいです。そのために、僕はフジテレビに入ったんだと、あらためて思いました。それと、若手や後輩の社員たちからも「僕もドッキリやりたいです」って声が結構あるんですよ。そういう番組をやれているという楽しさのほうがプレッシャーより勝っているので、1日でも長く続けていけるようにしたいですね。

  • SKE48・須田亜香里(左)、おかずクラブ・オカリナ(右)への『ゲゲゲの鬼太郎』コラボ寝起きドッキリ (C)フジテレビ

――では、最後に初回2時間スペシャルの見どころをお願いします。

蜜谷:大笑いもできますし、感動してホロッとしたりキュンとしたりもできるドッキリがギュッと詰め込まれているので、ぜひ家族みんなで見てもらいたいなと思います。

中川:僕が担当している「秒でドッキリ」は、チャンネルを変える暇もないくらい、ドッキリの洪水が来るという今まで見たことのない感じだと思います。ぜひ楽しみにしてもらえれば。