女優の北川景子が主演を務めるテレビ朝日系ドラマスペシャル『指定弁護士』が23日(21:00~23:05)に放送される。

北川景子

北川景子 -テレビ朝日提供

指定弁護士とは、検察が不起訴にした容疑者を市民による検察審査会が2回続けて「起訴すべき」と判断した際に、検察官役として指定される弁護士のこと。北川は、キャリアアップの一環として指定弁護士を引き受けたことで事務所を辞めざるを得なくなる一ツ木唯(ひとつぎ・ゆい)を演じ、北村一輝演じるバディの検察官・橘慎二と事件の真相を解明していく。

放送に先がけてこのほど、北川が取材に応じた。

――初の弁護士役ですが、オファーを受けたときの率直な感想をお聞かせください。

今回、東映の丸山(真哉)さんとテレビ朝日の竹園(元)さんにお話をいただきました。昔からご一緒していた方々なので、内容がどうというよりは、また声をかけていただいたので絶対に参加したいと出演を決めました。台本を読ませていただいて、弁護士という職業自体初めてですし、指定弁護士ということで。私も台本を読んで初めて知ることや用語も多かったので、それを調べていくところからスタートしましたね。役作りとしては、この作品は一ツ木唯という女性が指定弁護士に携わり成長していく物語だと思ったので、指定弁護士について最低限知ったうえで現場に入って自然にやれたらいいのかなと、あまり考えすぎないようにはしました。

『美少女戦士セーラームーン』での"恩人"と再会

――丸山さんといえば、北川さんが女優デビューした『美少女戦士セーラームーン』でもプロデューサーとして携わっていましたね。

丸山さんとは、『セーラームーン』のオーディションで選んでいただいたときからの付き合いで、オーディションの審査側のテーブルにいたのですごく覚えています。現場では「あれから15年たったんだね」という話だったり、思い出話がメインでしたね。成長した姿をお見せできたらいいなと思っていました。竹園さんとは、大学卒業後や結婚後すぐなど、人生の要所要所でご一緒しています。

――そういった縁が深い方からのオファーはやはり感慨深いものありますか。

過去にご一緒した方が呼んでくださるのは、やはりすごくうれしいです。上手くなったねと思われたいですし(笑)、作品としてもクオリティが高いものにしたいですし。現場では感慨深いというよりも必死だった気がするんですけど、これが何年かたって「あのときご一緒したな」と思うと、感慨深いものになると思いますね。

共演者への印象は

――バディ役の北村さんへの印象はいかがでしょうか。

すごく考えて作り込んでこられる役者さんでした。私はどちらかというと、感覚的にやれたらいいかなと思っていたので、慎二と唯が全然違うように、北村さんと私もお芝居に対するアプローチが違ったので、北村さんともよく話し合いをさせていただきました。でも、初日の最後には「しっくりきているな」という手応えがありました。

――そして、夫の一ツ木隆司役はえなりかずきさんが演じます。

私が芸能界デビューする前からテレビに出ていらっしゃるので、すごい不思議な感じがしました(笑)。えなりさんが台本の中の隆司を膨らませていただいて、台本で読むだけの夫婦の関係性よりすごくリアルで血の通った夫婦になった気がします。初めは「どういう夫婦になるんだろう、想像がつかないな」と思っていましたが、自分で言うのもあれなんですけど、すごくお似合いで(笑)。えなりさんも含め、この作品は先輩ばかりでしたので、ご一緒する役者さんに引っ張っていただいたなという感じがします。

北川景子

――最近は『指定弁護士』の他にも、映画『スマホを落としただけなのに』(11月2日公開)、ドラマ『フェイクニュース』(NHK、10月放送)など、社会派の作品が多い印象です。

意図的に選んでいることもなく、たまたまではあるんですが(笑)、そういう年齢になったのかなと思っています。社会的な作品をやってみたい憧れは以前からあったんですが、若い頃はあまりなくて。やってみたい仕事をやらせていただいているので、充実しています。

――03年のデビューから15年がたちます。芸能生活を振り返ってみていかがでしょうか。

早かったです。15年もやっていた感じもしないといいますか。その日その日与えられたお仕事をコツコツやってきたら、この場にいられて15年たったという意識が強くて。1人で成し遂げた15年でもまったくなかったし、ご縁があってデビュー作から本当に数珠のようにお仕事がつながってきたから、すごく人に恵まれて、運にも縁にも恵まれてきたなと。デビュー直後はこんな厳しい世界だと思わず、芸能界に入ったことが間違えたと思ったこともあったのですが、コツコツやってきてよかったと今は思っています。