2018年9月13日、渋谷駅南側の再開発プロジェクトとして「渋谷ストリーム」と「渋谷ブリッジ」なる複合施設が誕生した。旧東横線渋谷駅のホームや線路跡地、およびその周辺地区を再開発した「渋谷ストリーム(SHIBUYA STREAM)」。その正面を流れる渋谷川沿いの遊歩道を進んだ先に現れる「渋谷ブリッジ(SHIBUYA BRIDGE)」。感度の高い多様な人々が集まる空間を創造し、新たな時代の流れを生み出すことになるであろう両施設の全貌を公開しよう。
コンセプトは「クリエイティブワーカーの聖地」
国道246号によって中心街と分離され、いまだかつて大規模な再開発が行われたことのない渋谷駅南側エリア。まだ何色にも染まりきっていないこのフロンティアに、クリエイティブに生きる人々を魅了する新たな空間が生まれた。
施設名の「ストリーム」には、流れ、小川、絶え間なく続く、流れ込む、といった意味がある。同施設の前を流れる渋谷川や、旧東横線渋谷駅の線路跡地のゆるやかなストリートの流れを表現するとともに、この場所での体験・交流・挑戦から生まれる新しいモノ・コトを世界に発信し、ここから次の時代の流れを生み出したい。「渋谷ストリーム」という名称には、そのような想いが込められている。
「クリエイティブワーカーの聖地」をコンセプトに掲げた「渋谷ストリーム」は、約30店舗の商業ゾーン、177室の客室を備えたホテル、渋谷エリア最大級(総賃貸可能面積4万6,000平方メートル)を誇るオフィス、スタンディングで約700名を収容可能なホールなどで構成される。
多様なニーズを満たすプラットフォーム
同施設の1~3階部分には、流行に左右されない“渋谷流=シブヤ・カスタム”が集まる商業空間が展開される。渋谷川沿いでゆったりとした時間を過ごせる水辺空間が広がる1階。個性のにじみ出た店舗がメイン通路沿いに路面店のように軒を連ねる、賑やかなストリートが伸びる2階。多国籍な料理やお酒を堪能しながら会話を楽しめる、大人たちの溜まり場となる3階。日本初上陸の飲食店を含む約30店舗が並ぶ中で、バラエティ豊かなフードカルチャーの最先端が味わえる。
「渋谷ストリーム」には「渋谷ヒカリエ」とほぼ同数の飲食店が集結しているが、「渋谷ストリーム」が意識したのは、ワーカーや近隣住民の等身大のニーズだという。空間をシェアするようなインモールゾーンも持ち合わせたこの場所から、渋谷の“食”のバリエーションはさらなる広がりを見せていくに違いない。
さらに上の階へ上がると、次に姿を現すのは「渋谷ストリームエクセルホテル東急」。4階がロビー・フロント・ラウンジ・バー、9~13階が客室となっている。シングル25室(約20平方メートル~)、ダブル99室(約24平方メートル~)、ツイン53室(約30平方メートル~)、計177の客室を備えており、内装デザインはヴィンテージモダンな仕上がりに。
さらに、渋谷駅側に立地する7階建ての建物内には、「渋谷ストリーム ホール」がある。ライブハウスが日本一集約する「エンタテイメントシティ SHIBUYA」をリードする会場として、コンサートを中心とした使用が可能であるほか、新商品発表会やセミナー、ファッションショーなどのビジネス用途にも対応。13日には、アイドルグループ・欅坂46によるこけら落としイベントも開催される。
14~35階はオフィスゾーン。かつて“ビットバレー”と呼ばれた渋谷には、未来の産業をつくるベンチャー企業が23区でもっとも多く集積しているという。また、東京都内で2000年以降に設立した2,300社を超えるIT企業のうち、渋谷区で設立した企業数も最多を誇るとのこと。そしてここ「渋谷ストリーム」内の全てのオフィス区画には、グーグル合同会社の本社機能が移転入居することも決定している。再開発が進む渋谷でオフィス不足を解消し、エンジニアの集まる拠点としてビットバレーがどのように再建されていくのか。今後の動きからも目が離せない。