厚生労働省はこのほど、国民の健康状態や生活習慣などを調べた2017年の「国民健康・栄養調査」の結果を発表した。

  • 睡眠で休養が十分に取れていないものの割合の年次比較(20歳以上、男女計・年齢階級別)(2009年、2012年、2014年、2016年、2017年)(出典:厚生労働省Webサイト)

    睡眠で休養が十分に取れていないものの割合の年次比較(20歳以上、男女計・年齢階級別)(2009年、2012年、2014年、2016年、2017年)(出典:厚生労働省Webサイト)

同調査は健康増進法に基づき、国民の身体の状況、栄養素など摂取量および生活習慣の状況を明らかにし、国民の健康増進の総合的な推進を図るための基礎資料を得ることを目的としたもの。

調査期間は2017年11月、調査対象は2017年国民生活基礎調査から層化無作為抽出した300単位区内の全世帯・世帯員(2017年11月1日現在で1歳以上の者)、調査実施世帯数は3,076世帯。

肥満およびやせの状況をみると、肥満者(BMI25以上)の割合は、男性30.7%、女性21.9%。やせの者(BMI18.5以下)の割合は、男性4.0%、女性10.3%で、このうち20~50歳代の女性は全年齢階級で10%を上回り、特に20歳代では21.7%と高かった。同省による国民健康づくり運動「健康日本21(第二次)」では、若年女性のやせは骨量減少、低出生体重児出産のリスクなどとの関連があることが示されており、課題が浮き彫りになる結果となった。

「糖尿病が強く疑われる者」の割合は男性18.1%、女性10.5%。年齢別にみると、70歳以上男性で25.7%、70歳以上女性で19.8%など、年齢が上がるにつれて割合が高くなる傾向がみられた。

一日の平均睡眠時間を調べたところ、最も多かったのは「6時間以上7時間未満」で男性35.0%、女性33.4%となっていた。一方、「6時間未満」という人は、男性36.1%、女性42.1%となり、男女とも40歳代が最も高く5割前後(男性48.5%、女性52.4%)を占めた。

睡眠で休養が十分にとれていない人の割合は20.2%(2016年20.9%)で、2009年より増加傾向が続いている。年齢階級別にみると、40歳代の30.9%が最多となった。

生活習慣病のリスクを高める量を飲酒している人の割合は、男性14.7%、女性8.6%。2010年以降では、男性は大きな変化はないのに対し、女性は有意に増加している。現在習慣的に喫煙している人の割合は17.7%。男女別では男性29.4%、女性7.2%と、ともに1986年の調査開始以降で最低となり、男性は初めて3割を切った。