大ヒット中の映画『カメラを止めるな!』を製作したENBUゼミナールは21日、同日発売の週刊誌『FLASH』が報じた「著作権侵害疑惑」に対して、同作の公式サイトを通じて反論の声明文を発表した。

  • 上田慎一郎

    『カメラを止めるな!』の上田慎一郎監督

『FLASH』は「独占スクープ 大ヒット映画をめぐる著作権侵害疑惑『カメラを止めるな!』は私の作品を無断でパクった」と題し、「原作」を主張する和田亮一氏の告発を掲載。自身が主宰していた劇団・PEACE(2014年に解散)の舞台『GHOST IN THE BOX!』の内容が、『カメラを止めるな!』の構成をはじめ、多数の類似点があると指摘した。

これを受け、ENBUゼミナールは「本記事の内容は不正確なものです」と真っ向否定。同舞台に着想を得て企画、製作した経緯は認めながらも、「本舞台に敬意を表す意味で、本映画を8月3日より拡大上映する際に、本舞台関係者の方々に対し、そのクレジットとして「原案:劇団PEACE『GHOST IN THE BOX!』という表記をご提案させていただきました」と内情を明かす。

その上で、「本映画は上田監督自身による脚本、監督、編集というように、本舞台とは独自の形で製作を進め、ストーリーは本舞台と全く別物である上、脚本の内容も異なるもの」「法的に『著作権侵害』が生じていたり、本舞台を『パクった』といった事実は一切ございません」と断言した。

また、「本舞台関係者の方々と都度協議を行っており、クレジットを含めたその他の条件や今後の対応についても協議を進めようとしていたところでした」とし、「それにもかかわらず、このような『著作権侵害』や『パクった』といったようなセンセーショナルな見出しや、未だ確定してもいない本舞台関係者との協議過程の内容を含む記事が掲載されたことに強く憤りを感じます」と訴えた。

和田氏は『FLASH』への告発のほか、投稿サイト・noteでも「僕は、ただ、『原作』と入れて欲しかったんです。元劇団員のみんなが『あの作品PEACEの芝居が原作なんだよ!』と、素直に応援して、自慢できるようにしたかったんです。『原案』は作品を作るに当たって参考にしたアイデア 『原作』はその作品を作るための元の作品です。銀魂の映画は、全くオリジナルストーリーだけどちゃんと『原作』って入ってます」などと主張を展開している。

『カメラを止めるな!』を手がけた上田慎一郎監督はこの日、TOKYO MXで生放送された情報番組『5時に夢中!』に出演。今回の騒動について触れなかったが、放送後、自身のツイッターで「今ザワザワしているあの件については僕の方からもしっかり発信します。少々お待ちください!」と呼び掛けている。

なお、上田監督はマイナビニュースのインタビュー(8月17日掲載)で、作品が生まれた背景について、「2014年に解散してしまったんですが、2013年に劇団PEACEの『GHOST IN THE BOX!』という舞台を見て、インスパイアされました。最初はその脚本家、出演者と一緒に映画化しようとして動いていたんですが、お互い仕事の事情などもあって頓挫してしまって。2016年の暮れにとある企画コンペの話が来たので、その時にもう一度企画書を引っ張り出して、登場人物や展開をまるごと変えて、全く新しい企画として作り直しました」と語っていた。