今年1月にリリースした「SHINY DAYS」がスマッシュヒットし、3月に開催された自身初のワンマンライブも大成功を収めた、アニソンシンガー・亜咲花。高校を卒業しての、彼女の新たな一歩となるのが、5thシングルとなる「Eternal Star」だ。
TVアニメ『ISLAND』のEDテーマに起用されたこの曲は、爽やかな中にもどこか切なさをはらんだ夏に似合うナンバー。また、同時に収録されたEnglish ver.では、亜咲花自身が作詞も担当している。そんなあらゆる面で成長を見せた本作に寄せた、彼女の想いに迫る。
▼高校卒業後初のシングルには、これまで以上にアニソンらしいポイントが
――まず、今年3月のワンマンの思い出からお伺いしたいのですが、見てる側としては初めてのワンマンとまったく思えませんでした。
本当ですか!? 自分ひとりで全曲歌うっていうのは今回が本当に初めてだったので、「みんなが盛り上がってくれるかな?」とか多少は不安もあったんですけど、ステージに立ったらそんな不安も全部消えて。テンション上がっていろいろやってしまいました(笑)。
――中盤のカバーゾーンもすさまじい盛り上がりで。
そうなんです! カバーは、私自身がオタクなので「私が好きなアーティストさんのライブに行ったら、こういう曲を聴けたらうれしいな」っていう気持ちを大切に、アニソンアーティストでありながらみんなと一緒にオタクとしてライブを楽しみたいな、と思って選曲しました。今後もカバーは、ワンマンライブでやっていけたらいいなと思ってます。
――それで最後まで、ぐーっと右肩上がりで駆け抜けていきました。
今回は"高校卒業"っていうのがテーマだったので、自分の高校生活のなかで悩みや葛藤に当たったときに、自分のことを支えてくれた楽曲を最後に歌おうと思って、2ndシングルの「Edelweiss」で締めくくりました。セットリストを組むときに、高校生アニソンシンガーとしての1年5ヵ月の活動の集大成を見せたいなと思っていたので、選曲とか曲順はすごく念入りに考えましたね。
――そして、すでに10月19日にバースデーライブを開催することが決定していますね。
はい。「亜咲花 19th Birthday LIVE ~Make It Happen LTB~」というタイトルなんですけど、19歳なので"Last Teen"ということで、10代の今だからこそやれる楽曲や、今の自分の等身大を見せるライブにできたらと思っています。
――さて、高校卒業後初のリリースとなるのが、今回のNEWシングル「Eternal Star」です。まず、こちらの曲の最初の印象からお伺いできますか?
最初はメロディだけの状態でいただいたんですけど、そのときは青空の下で、海の前で歌ってるようなイメージがあったんです。でもあとから、この曲は"夜空"がテーマになっていると聞いたので、そこでちょっとギャップを感じましてレコーディングではキーをひとつ下げて歌わせていただきました。本当に夏にぴったりな、爽やかな疾走感のある曲だなってまず思いましたね。
――その印象はTVアニメ『ISLAND』のキービジュアルとも繋がるところだと思いますし、作品に繋がっている言葉もたくさん散りばめられていますよね。
もう、伏線がたくさん隠されてるんですよ! それにヒロインの(御原)凛音ちゃんと主人公の(三千界)切那くんの名前が、"刹那"と"輪廻"っていう形でそれぞれ曲中に歌詞の中にあるっていうのがうれしくて。こういう形でキャラクターの名前が直にバンと出てるというのも初めてなので、よりいっそうアニソンとしてすごくいいなぁって思いました。
▼アニメと自分、両方の要素を出して歌った1曲
――ということは、歌われていくときには先々のストーリーも頭に入れつつ?
恋を題材にした楽曲が自分としては初めてだったので、アニメの世界を大事にしつつも"恋"っていう感情論的なところで言うと、「等身大の自分を出していったほうがよりいっそう曲の説得力に重みが増すのかな?」と思いまして。いつも歌うときは「今回はアニメがシリアスだから、自分を押し殺して"亜咲花"は10%ぐらいでやろう」と"アニメ何%"、"亜咲花何%"みたいな感じでパーセンテージで考えて歌っています。今回は「アニメが50%、自分が50%」です。すごくいい感じで両方出せた楽曲でした。
――放送も前半のクライマックスに差し掛かってきているので、リスナーさんには聴こえ方がどんどん変わってきているかもしれませんね。
だと思います。私自身もちゃんと作品の内容を自分の中に入れてからレコーディングに臨んでるんですけど、どうしてもアニメが始まると視点とか感情が変わってきてしまって。まるでアニソンが生きてるかのような感じというか……。アニソン以外も含めて「この曲は、こういう歌い方だ!」って決めるんじゃなくて自然の流れに沿っていく、っていうのをいつも意識して歌っているので、CDでの歌声とライブで歌うときのニュアンスの違いとかも楽しんでもらえればなって思っています。
――では実際この曲、レコーディングではどのように歌われていったのでしょう?
今回もいつもみたいに曲中に英語の文章がいっぱい散りばめられているんですけど、Bメロの英語の部分では囁いたり心に語りかけるような歌い方にしました。ここはあえて強調せず、聴いている人に語りかけて慰めるような感じで歌ってみたりして。というのも、一見爽やかな曲ではあるんですけど、歌詞のところどころに切ない部分があってすべてが明るい曲というわけではないので、そういった面で切なさを表現してみました。あとは、星に願いを込めるような、誰かに訴えかけるような曲にもしたいなと思っていて。だから七夕とかすごく合うんじゃないかな?と思っていて。本当に、星空の下で聴いてほしい曲ですね。
――その一方で、Dメロなどからはソウルフルな印象も感じました。
そうですね。この部分は特に、誰かに何かを託すようにと言いますか。「私はここまでだから、あとはよろしく頼むよ!」みたいな気持ちでまさに歌詞の通りに"夏の空に託す"ような気持ちで訴えかけるように歌っているので、ぜひ注目しながら聴いてほしいポイントです。
――そしてこの曲、すでにMVのShort ver.が公開されていますが、こちらへの反応はいかがですか?
「すごく大人っぽくなったね」って言ってもらえています。今回は、私の中にもテーマがありまして。高校卒業後初のシングルになるので、今までよりもちょっと成長したあらたなステップを登っていっているような感じを、曲やMVから出せたらいいなと思ったんですよ。なので初めて髪もセミロングにしてシンプルにおろしたり、衣装もロング丈にしてみて大人っぽさが出せるようにしてみました。
――そのMVで特に印象に残ったのが、崖の上で歌われているシーンでして。海の青と、空と、青々とした草原とがとても綺麗でした。
あのシーンは自分で観ていても印象的だったんですけど、あのときは風がいい具合で来てくれたんですよね。今回のMVは『ISLAND』のロケ地になっている新島で撮影したんですけど、背景や風景は新島の自然のものなんですよ。なので、MVの表情とか動作もなんですけど、そういう島の風景の一つひとつも観てもらえるとよりTVアニメ『ISLAND』も楽しんでもらえるんじゃないかなって思いますし、アニメを観ている方にも二重に楽しんでもらえるMVになっていると思います。
――青空のシーンもですけど、夜のシーンもとても綺麗で。その中では、星型のオブジェを抱えられているシーンもありました。
そこではあまり何かを訴えかけるというよりは、優しく星を見守るような気持ちで撮ってましたね。「こんなことがあったんだよ」みたいに語りかけるような感じで、優しい表情を意識していました。