FutureMark

ここまではContents Creation系がメインだったが、ここからはGaming系で。今回、GeForce GTX 1080を結果的にPCIe x8スロットに装着してのテストとなっているが、これは性能にはほとんど影響ないと筆者は考えている。詳しくは後述」。

まずは3DMarkであるが、Overallがグラフ11、グラフ12。IceStormはともかく、それ以上の負荷になるとRyzen Threadripper 2950Xがかなり健闘しており、ほぼRyzen 7 2700Xと遜色ないレベルに。

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    グラフ11

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    グラフ12

その一方で、Ryzen Threadripper 2990WXは「なんだこりゃ?」という結果になっている。特にGPU負荷の低いIceStormで性能の低下が顕著で、逆にGPU負荷の高いFireStrikeだとあまり目立たない、というあたりが特徴的だ。

この傾向はGraphics Test(グラフ13・14)でさらに顕著である。CloudGateにいたっては、Ryzen Threadripper 2990WXのスコアはRyzen 7 2700Xの3分の1近い。

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    グラフ13

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    グラフ14

実際、生のフレームレートでいえば(左の数値がTest 1、右の数値がTest 2、単位はfps)、
・Ryzen 7 2700X:485.4 / 510.0
・Ryzen Threadripper 1950X:370.2 / 504.0
・Ryzen Threadripper 2950X ; 387.9 / 515.8
・Ryzen Threadripper 2990WX:153.4 / 260.2
となっている。

ちなみにIceStormだと、1000fpsを超えている。逆にいえばこんな風に、猛烈にフレームレートが高い(=それだけ頻繁にCPU→GPUのデータ転送が多い)ところでは、Ryzen Threadripper 2990Xでは転送がボトルネックになっているのではないか、と思われる。

同じ構成でCPUをRyzen Threadripper 1950X/2950Xとした場合には、それなりのスコアになっているあたり、2番スロットにGeForce GTX 1080を装着した影響ではない(というか、関係ない)と思われる。

この「転送がボトルネック」ということの傍証は、フレームレートが猛烈に低くなるFireStrike Ultraにて、生のフレームレートが(左の数値がTest 1、右の数値がTest 2、単位はfps)、
・Ryzen 7 2700X:27.1 / 17.3
・Ryzen Threadripper 1950X:27.2 / 17.6
・Ryzen Threadripper 2950X:27.1 / 17.5
・Ryzen Threadripper 2990WX:27.2 / 17.5
とまったく違いがなくなるからだ。

このあたりの傾向は、このあとのテストにも大きな影響を与えそうな感じだ。

おそらくこれが理由で、次のPhysics Test(グラフ15・16)もRyzen ThreadRipper 2990WXのみ低めになっている。Physics Testでは、GPU負荷を軽めにしてCPU処理負荷を高める方向でテストが構成されているが、「GPU負荷軽め = CPU→GPUの転送が頻発」ということであって、ここが遅いと結局スコアも低めにならざるを得ないからだ。

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    グラフ15

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    グラフ16

このあたりがボトルネックになりにくいRyzen Threadripper 2950Xでは非常に良好とはいっても、Ryzen 7 2700Xのダブルスコアには程遠いが、グラフ16では概ね30%以上の向上が見られる。グラフ15でIceStormのみ逆転してるのがちょっと謎ではあるが。結果としてCombinedでは、負荷の軽いSkyDiverと負荷の多いFireStrikeで完全に傾向が異なってるのは、ここまでのシナリオを考えれば妥当な傾向に思える。

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    グラフ17