Sandraの最後はVideo Memory Bandwidth(グラフ90)だが、これはPCIe経由での転送レートの確認である。本来、PCIe Gen3 x16だからピークで16GB/secの帯域があり、Ryze 7 2700Xはいずれのケースでも11~12GB/secの帯域を確保しているから、(もう少し高くならないのか?とは思うものの)これは正常な数値である。

  • 「Ryzen Threadripper 2」深層レビュー

    グラフ90

で、Threadripper系だが、PCIe Slot 2に装着した関係か、ピーク帯域が半分の8GB/secになっているようで、Ryzen Threadripper 1950X/2950XはSystem to Device(つまりCPU→GPU)の帯域が6~6.5GB/secに落ちている。

問題はRyzen Threadripper 2990WXで、さらに低くなっている。先に3DMarkのIceStormで異様に性能が落ちた理由の一つは、このPCIeの帯域の低さに起因しているのではないか、と思われる。何でこんなに低いのか、までは不明だが。

ちなみにDevice to System、つまりGPU→CPUの転送についてはRyzen Threadripper 1950X/2950Xが異様に低い結果になっているのも不思議だ。これ、それこそGPUカードを複数枚装着してDNNのアクセラレーションをやらせたりすると、けっこうシビアな問題になるはず。今回は、GPUから描画完了のお知らせが通知される程度でしか使われないので、あまり問題にはなっていない。

Ryzen Threadripper 2990WXにしても、4GB/secそこそこというのはけっこう低い数字。それこそAMDのいうように、Radeon Instinctを搭載して色々アクセラレーションをやらせる……なんてシーンでは、真剣に問題になってきそうではある。