現在、テレビ朝日系全国ネットにて好評放送中の特撮テレビドラマ『仮面ライダービルド』と『快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー』の劇場版が、全国ロードショー公開されている。『ビルド』の映画タイトルは『劇場版 仮面ライダービルド Be The One(ビー・ザ・ワン)』。脚本をテレビシリーズと同じく武藤将吾氏、監督を『仮面ライダー平成ジェネレーションズFINAL ビルド&エグゼイドwithレジェンドライダー』(2017年)で好評を得た上堀内佳寿也氏が務める。

テレビシリーズが最終回に向けて大きな盛り上がりを見せている『仮面ライダービルド』だが、この劇場版ではテレビでは見られない仮面ライダービルド/桐生戦兎の"知られざる戦い"が描かれるという。東都、西都、北都という3つの首都が繰り広げてきた"戦争"が終わり、パンドラタワーに新政府が樹立。3つの首都にはこれまでの首相に代わって、それぞれ「知事」が置かれ、平和のための新体制が確立された――はずだった。だがそれは、仮面ライダービルド/桐生戦兎を撲滅するための、隠された真実につながる完璧なる計画だったのだ……。

今回は、映画でカギを握るキャラクター、伊能賢剛/仮面ライダーブラッドを演じる俳優の勝村政信にインタビューを敢行した。さまざまなドラマや映画、さらにはサッカー番組での司会など、多方面で活躍する彼は、1971年に放送が開始された『仮面ライダー』ど真ん中の世代。映画で"史上最強のライダー"仮面ライダーブラッドへの変身者を演じた喜びや、作品の見どころについて訊いた。

勝村政信(かつむらまさのぶ)。1963年生まれ、埼玉県出身。蜷川カンパニー出身。数々のテレビドラマ、映画に出演。近年の主な出演作として、テレビドラマ『Doctor-X 外科医・大門未知子』シリーズ、『大岡越前』、『ラストチャンス~再生請負人~』映画『龍三と七人の子分たち』(2015年)、『無限の住人』(2017年)、『ラスト・ホールド!』(2018年)など多数。さらにテレビ東京系サッカー番組『FOOT×BRAIN』ではレギュラーMCを務める。撮影:宮川朋久

――映画のオファーが届き、それを受けた経緯についておうかがいできますでしょうか。

なんかすごいですよね。この年齢で「仮面ライダー」のオファーをいただいた驚きと、喜びが入り混じった不思議な感覚でした。

――オファーを受けた際は、最初から変身するというお話もあったんですね。

お話をいただいたときに、最初はおやっさん(『仮面ライダー』の立花藤兵衛)みたいな役なんだと思ったんです。それが仮面ライダーに変身する役だったので、正直驚きました。しかも"史上最強のライダー"。いままで積み上げてきた「仮面ライダー」の歴史の中で、そんなオイシイ役をやらせていただいていいのかと(笑)。すごいことですよね。ブラッドは、強いだけでなく、めちゃくちゃカッコいいですよ。

――特撮ヒーロー作品の撮影ということで、普段とは異なるところもある現場だと思うのですが、特に新鮮に感じられたことはありますでしょうか。

スーツアクターの方も一緒にいらっしゃるというのが、僕の中では一番インパクトがありました。セリフもちゃんと覚えていらっしゃって、アクションシーンのときにセリフをしゃべりながら演じられているんですね。殺陣ももちろんアクション監督の方がいらっしゃって、芝居と殺陣がシンクロする「仮面ライダー」の世界ができあがっているんだなと感心しました。

――今回は北九州でエキストラ3000人が参加した大規模ロケが行われたことも話題になりました。こちらの撮影の感想はいかがでしたか?

あそこまですごい規模でやるとは……と最初驚きましたよね。市役所の前をあれだけ大規模に封鎖して。人もよくあんなに集まってくださったなって。道路を封鎖してしまうなんて、昔『西部警察』が大通りを封鎖して装甲車を走らせてきました。すごい衝撃がありましたけど、それ以来の衝撃でした。今回はそこに仮面ライダーがいましたから、装甲車以上のインパクトです(笑)。

――作品で絡むことの多い、桐生戦兎/仮面ライダービルド役の犬飼貴丈くん、万丈龍我/仮面ライダークローズ役の赤楚衛二くんなど、若いキャストの方たちとお話はされましたか?

親子くらい年齢が離れていますが、すごく真面目で真剣にライダーの世界と向き合っていました。しかもおじさんに気を遣ってくださって、話もちゃんとしてくれる(笑)。「仮面ライダー」の撮影は、しっかりとしたチームワークができていますから、そこに入っていくのはおじさんには難しいところがありますが、それも理解して、とても自然に橋渡ししてくださったのはありがたかったですね。

――同じくブラッド族を演じる藤井隆さんとの、舞台あいさつの楽しいやりとりも印象的でした。

藤井くんは以前からよく知っているので楽でした。藤井くんは「こういうスケールの大きな作品に出ることができて、とても楽しい」という話をしていました。僕も同じ思いでしたね。