大阪モノレールを運行する大阪高速鉄道は13日、新型車両3000系の万博車両基地搬入作業の様子を報道関係者らに公開した。新型車両3000系は2018年度に1編成(4両編成)を導入。秋からの営業運転開始を予定している。

  • 大阪モノレール新型車両3000系。4両中2両が万博車両基地へ搬入された

同社17年ぶりの新型車両3000系は日立製作所笠戸工場(山口県下松市)で製造され、車体は「A-train」シリーズをベースとしたアルミ合金製。最大寸法は長さ14,800mm×幅2,980mm×高さ5,190mm。1両あたりの重量(台車も含む)は平均27.2トンとのこと。モーターの性能向上などにより、門真市方先頭車(Tc車)を除く3両を電動車とした3M1Tの構成となり、設計最高速度は85km/h、本線運転時の最高速度は75km/hとされている。

日立製作所笠戸工場は先日の豪雨の影響が少なかったことから、新型車両3000系の輸送もおおむね順調に進められた。製造された4両を積んでの海上輸送が7月9日から行われ、7月11日に大阪港に到着。7月12日深夜から翌日未明にかけて大阪空港方先頭車(3650号車)・中間車(3550号車)の2両が万博車両基地へ陸送された。この2両の車体を台車に取り付ける作業が公開され、3550号車に続いて3650号車がクレーンで吊り上げられ、約30分かけて作業が進められた。残る2両(3250・3150号車)も後日搬入される予定となっている。

  • 大阪空港方先頭車(3650号車)がクレーンで吊り上げられ、台車に取り付けられる

新型車両3000系の開発にあたり、社内で男女混成のデザインワーキングチームが結成され、2年半にわたる議論を経てデザインが選定されたという。先頭車は親しみやすい大きな丸みを持った形状となり、コーポレートカラー「ウルトラマリンブルー」、そして「アザレアパープル」のラインが車体前面を彩る。編成全体にわたって大きな円弧状のカラーラインを配した点も特徴で、これまでの直線的でシャープなイメージを一新している。

1編成あたりの定員は400名、座席数は124席。運転席の後方にクロスシートだけでなく、こどもたちも前面展望を楽しめるように、床を一段高くした「キッズゾーン」を設置している。他の座席はロングシートとしつつ、通勤電車では最大級という幅48cmのゆったり座れる個別シートを配置。バリアフリー機能も充実させている。眺望を楽しめるように窓を大型化するとともに、車間扉や荷棚にガラスパーツを採用し、「ナノイー」搭載の空気清浄機も導入するなど、明るく開放的かつ清潔感のある車内空間に。「大阪モノレールらしさ」を継承しつつ、こどもから大人まで楽しめる「モノレールの魅力」を磨き上げた、新たな大阪モノレールを象徴する主力車両となる。

大阪モノレールの新型車両3000系は今後、試乗会などを経て秋にデビュー予定。2018年度に1編成を導入した後、2019年度以降は開業当時から運行している車両1000系の代替として製造を順次進めていく。2018~2021年度の4年間で計9編成を導入する予定となっている。

  • 新型車両3000系(3650・3550)の外観と万博車両基地での作業の様子