西日本・東日本の広い範囲で7月6～8日にかけて記録的な大雨となり、11府県で大雨特別警報が発表される事態となった(現在はすべて解除)。交通機関にも影響を与え、JR西日本・JR四国など多くの鉄道路線で施設被害が発生した。
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JR芸備線は白木山～狩留家間・中深川～上深川間で橋梁流失などの被害が発生(写真は2013年撮影)
国土交通省は今回の豪雨に関する災害情報の中で、鉄道の被害も報告している。線路・駅構内への土砂流入をはじめ、橋梁流失、盛土流出などの被害も報告され、JR西日本も同社サイトにて、被災した線区に関して「運転再開には相当長期間を要する見込み」と発表している。
ここでは国土交通省の発表をもとに、7月9日4時30分時点で明らかになっている被害状況(復旧済みは除く)についてまとめた。
JR西日本の被害状況(7月9日4時30分時点)
- 山陽本線 : 熊山駅構内で線路冠水、RC遮断機崩壊。熊山～万富間で落石検知線の動作。笠岡～大門間・尾道～糸崎間で土砂流入。松永～備後赤坂間で土砂崩壊。本郷～河内間・八本松～瀬野間で盛土崩壊、土砂流入(複数あり)。
- 伯備線 : 総社駅構内・方谷駅構内・足立～新郷間で土砂流入。倉敷～清音間・美袋～備中広瀬間・備中高梁～木野山間・足立駅構内で落石検知線の動作。備中広瀬～備中高梁間で線路冠水。備中神代～足立間で橋脚に大木が引っかかる。
- 姫新線 : 林野～勝間田間で道床洗掘。坪井～美作追分間でのり面亀裂。久世～中国勝山間で土砂流入。丹治部～岩山間で線路への切取崩壊。
- 津山線 : 備前原～玉柏間で橋梁が冠水。
- 因美線 : 土師～那岐間でのり面崩壊。那岐～美作河井間で土砂流入。三浦～美作滝尾間で盛土崩壊。
- 宇野線 : 備前田井駅構内で線路斜面崩壊。
- 福塩線 : 備後本庄～横尾で土砂流入。
- 芸備線 : 白木山～狩留家間・中深川～上深川間で橋梁流失。西三次駅で土砂流入。内名～小奴可間で土砂崩壊。
- 呉線 : 安芸幸崎～忠海間で土砂流入。
- 山陰本線 : 山家～綾部間で倒木。石原駅構内で路盤流出。梁瀬～和田山間で土砂流入。上夜久野駅構内で線路冠水。
- 播但線 : 生野～新井間で線路冠水。
- 舞鶴線 : 西舞鶴～東舞鶴間で土砂崩壊。梅迫～真倉間で土砂流入、道床流出。
- 福知山線 : 市島～丹波竹田間で線路冠水。丹波竹田駅構内で路盤流出。
- 関西本線 : 笠置～加茂間で倒木。
JR四国の被害状況(7月8日14時時点)
- 予讃線(高松～松山間) : 海岸寺駅構内で施工基面崩れ。本山～観音寺間の財田川橋梁で洗堀、軌道変位。伊予桜井～伊予富田間の上徳踏切で舗装陥没。伊予亀岡～菊間間で斜面崩壊、道床流出。菊間～浅海間で盛土崩壊、土砂流入など。浅海～大浦間で土砂流入。大浦駅構内でホーム下浸水。大浦～伊予北条間で土砂流入、基面陥没、ストーンガード背面土砂崩壊。堀江～伊予和気間で冠水。伊予和気～三津浜間で冠水、基面崩れ。
- 予讃線(松山～宇和島間) : 伊予上灘～下灘間で縦下水から水流入、道床流出。伊予出石～伊予白滝間で法面崩壊。八多喜～春賀間で倒木。新谷～若宮信号所間で踏切損壊(土砂流出)。伊予平野～千丈間で倒木。千丈～八幡浜間で土砂流入。下宇和～立間間で土砂流入、土砂流出、電気ケーブル断線。伊予吉田駅構内で土砂流出。伊予吉田～高光間で構内土砂流出、遠見山トンネル出口崩壊。高光～北宇和島間で道床流出、土砂流出。
- 土讃線 : 黒川～讃岐財田間で斜面崩壊。讃岐財田～坪尻間で土砂流入・流出。箸蔵～佃間で斜面崩壊・倒木。阿波池田駅構内で斜面崩壊(線路上距離あり)。三縄～祖谷口間で土砂流入。土佐岩原～豊永間で倒木。土佐北川～角茂谷間・土佐北川～繁藤間で側溝詰まり。繁藤～新改間で土砂流入。
他の鉄道事業者の被害状況(7月8日14時時点)
- JR北海道 : 函館本線小沢～銀山間で土砂流入。
- JR東海 : 高山本線飛騨萩原～上呂間・坂上～打保間・焼石～下呂間で土砂流入。
- 長良川鉄道 : 郡上八幡～自然園前間で線路冠水。梅山～湯の洞温泉口間で土砂流入。梅山～湯の洞温泉口間で土砂流入、道床流出。白山長滝～北濃間で線路冠水、土砂流入、信号ケーブル破損。
- WILLER TRAINS(京都丹後鉄道) : 宮津線東雲～四所間で土砂流入。宮津線粟田～宮津間で道床流出。
- 神戸電鉄 : 粟生線西鈴蘭台～藍那間で法面崩壊。
- 井原鉄道 : 井原線吉備真備駅の駅施設が冠水。
- 錦川鉄道 : 錦川清流線川西～清流新岩国間で土砂流入。
- 平成筑豊鉄道 : 田川線崎山駅～源じいの森駅間(13K付近)で築堤崩壊。
- JR九州 : 筑肥線鹿家～浜崎間・大川野～肥前長野間で土砂流入。筑豊本線桂川～原田間の複数箇所で道床流出。肥薩線鎌瀬～瀬戸石間で土砂流入。
